2021年シーズンが開幕します。
シーズンが始まる前に、区切りの意味でもここに書いておく。
今シーズンは井上潮音がいない。

 

毎年毎年ストーブリーグが憂鬱だった。
特に、2019年は確実に抜かれるだろうと思っていた。TCの関係もあるし、結果的に移籍するならお金を遺してくれる移籍が正解だと思っていたから。
ところが2019年どころか去年も契約を更新した。物凄く嬉しくて狂喜乱舞したのだけど、その一方で、「一体彼は何を考えているのだろう?彼は将来的にどうなりたいのだろう?何を目指しているのだろう?」と、この先の彼のキャリア構築に対して疑問を感じたのも事実である。

 

今年移籍する事になって、私は当然悲しみに暮れるだろうと想像していた。ところがそうではなかった。

悲しむとか落ち込むとかそういうのではなくて、全ての感情を失ってしまったのである。
私にとって井上潮音はいて当たり前の存在にになっていたのだと思った。
ここまでダメージを受けると言うその事実に正直困惑している。
広貴の移籍の時、どうやって立ち直ったんだろう?
あの時、FC東京の情報も追っていたし、小平にも行こうと思っていた。しかし今回は、今の潮音に関する全てを知りたくないのだ。それでもタイムラインには情報が流れてくる。

 

神戸の始動日、クリムゾンレッドのウェアを着用した画像がタイムラインに上がっているのを見て、ガチで吐いてしまったのです。
ヴェルディグリーン以外の色を彼が着るだなんて、本当に信じられない。しかも似合っていない。
彼だったら何色を着たって絶対に似合うと、そう思っていた頃があった。ところが全く似合っていないし、緑以外のユニだなんて、信じられないし見たくもない。

 

忘れよう。もう潮音の存在そのものを自分の記憶から抹消するしかない。自分が自分を取り戻すにはそれしかない。
私は井上潮音が好きだったのではなく、「ヴェルディの井上潮音」が好きだったのだ。それをつくづく理解した。緑のユニを着ている人以外は愛さないし愛したくても愛せないのだと。

 

いなくなってしまった後もずっとずっと広貴には戻ってきて欲しいと思っていた。だけど、よく考えたら一度上のカテゴリーに移籍した人が戻ってくるって、あまり歓迎される状況じゃないよね。
基本的には結局上のカテゴリーでは通用しなかった、または活躍はしていたけれど年齢を重ねてピークアウトしてカテゴリーダウンせざるを得なくなったか。そのどちらかでしょ?

広貴が8年ぶりに戻ってきた時もすごく嬉しかったけれど、でもその一方で「サガン鳥栖で出場していない選手を獲得してどうするの?大丈夫??」と疑問に感じたのもまた事実だった。
森勇介が移籍してきた時、J1クラブからも高額オファーがあったにも関わらずそれらを断ってヴェルディを選んで来てくれたけど、そんな事異例だから。
まだまだ上でやれる人がわざわざ下のカテゴリーに下がるというのは基本的にはあり得ない。

 

だからきっと、もう私のデータベースに井上潮音の情報がアップデートされる事はこの先二度と無いんだなと思ったら、何だかそれがたまらなく寂しかった。
ただそれだけ。

 

ほんの6年間だものね。プロとしての長いキャリアを考えたらほんの束の間の時間。
だからきっとこの先は「他のクラブの井上潮音」の時間がどんどん長く強くなっていく。ヴィッセルにずっといるのかは知らないけれど、とにかくこの先はもう「ヴェルディの」と冠には付かないのだな。
それが何だかとても寂しく感じたんです。

 

 

彼は恐らくヴィッセルでも活躍できると思う。

金満チームになんか行っちゃって大丈夫かよ?という声もあったけれど、畠中や渡辺皓太だってJ1でやれてる位なんだから余裕っしょw

 

頑張って欲しいとも思わないしそんなどうでもいいくだらない事に自分の関心を使いたくない。他のチームに関心を持つ労力が無駄だから。

でも6年間は本当に楽しくって最高だった。潮ちゃんがヴェルディに在席しているだけで歴代最高に楽しいサポ生活だったのは事実だから。

本当に最高だったし、最高だったからこそもう封印しようと思う。思い出は美しいままで、いつかまた彼の存在を忘れられたらたまにそっと取り出して眺めたいと思う。
その時にはこの記事も全く違う捉え方が出来るんじゃないかな。

 

明日シーズンが始まる。私は過去には1ミクロも興味はない。私の興味は未来にだけある。
だから。明日を、そして明日から始まる新しいシーズンを楽しみに。
1年後、果たして私はどんな記事を書いているかな笑