Still feel lonelinessスピンオフ話
読まなくても大丈夫ですが、すこし設定が出てくるので、よろしければぜひ。
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(side S)
「じゃ、オレたち帰るから!」
「おう、またな!」
久しぶりの飲み会の帰り道。真っ赤な顔の相葉くんが元気に手を振る。
今日は残念ながら松潤が仕事で来られなくて、4人で集まった。
さっき、4人で飲みつつの変顔の写真を、出張先のニューヨークまでラインで届けてやったとこ。
ぶんぶんと手を振る相葉くんが、フラフラっとよろけた。
慌ててニノがそれを支える。
「ちょっ、相葉さん大丈夫?」
「大丈夫大丈夫!さ、いこー!愛の巣へ!」
「バカなの?!」
なんだかんだ騒ぎながらも、肩を並べてふたりは同じ方向へ帰っていった。
「ふふ、相葉ちゃんもニノも、相変わらずだなぁ」
隣でそれを見送る智くんは、目をとろんとさせてふにゃっと笑って、振っていた手を降ろした。
「俺はそれよりも、スキャンダルにならないかが心配だよ…」
「大丈夫でしょ、男同士だし。仲のいいお友達ってしか見られないでしょ」
…だよな。
実は、相葉くんとニノのふたりは去年から付き合いだした。
すごく仲のいいお友達、だと思っていたのはまさしく俺だけで、みんなうすうすふたりの気持ちには気づいていたらしい。
「しょーくん、にぶいなぁ」って智くんにも笑われたけど…俺だっていつもそんなに鈍い訳じゃない。
ちょっと、自分のことに一所懸命だっただけで。
「智くんは…これから、どうする?」
「あー、おれは帰るわ。明日も早いし、そろそろいい加減新作考えねーと姉ちゃんに怒鳴られちまう」
「あ、そっか…じゃあ…」
「じゃ、また」
さっと手を挙げてくるっと背中を向けて、さっさと帰っていく、
その背中をじっと見つめる。
そう、俺は…。学生の頃からずっと、この人に片思いしている。