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「ねえ翔ちゃんなにこれーー」
ビールとか、つまめるもんなんかを帰りがけに買ってきた量販店の袋をガサガサしながら、ニノが言った。
ソレは、量販店のレジ横に山積みになっていたもので。
きっと今日が当日だからだろうな。値下げされて積まれていたのを、ついでに買ってきたんだ。
「それ、ニノにお土産ーー」
「お土産?」
「今日、ハロウィンだろ?だからさ……」
ニノの横に行って包みを手に取る。
丁寧にテープをはがして、袋からそれを取り出して。
じゃーん、とニノに見せてみた。
それは……、ハロウィン用の仮装の衣装。
その名も!
「”可愛いメイドさん(くろねこ)”……。」
「お、意外とちゃんとしてんじゃん。ちょっと生地は薄いけど、スカートもふわっとしてるし」
「……」
「ネコミミも尻尾もついてんじゃん。絶対似合うーー」
「……、ぜってー、やだ」
「なんでだよーー。絶対似合うって!」
「だってこれ、女子用じゃん」
「ニノなら大丈夫だってーー。なあーー、せっかくだからさーー。ちょっとだけ!な?いいじゃんーー」
な、な、お願い!って両手を合わせて頼んだら、しばらくは、やだよ、絶対やだよって言ってたけど、めげずに交渉してたら、「しょうがないな、一瞬ね?」ってしぶしぶ了解してくれた。
で。
で!
俺の目の前に!
黒いネコミミとシッポのメイドさん降!!臨っ!!!
白襟に黒のミニワンピース、白いふりふりのエプロンっていうまさにメイド服に、黒猫の耳のカチューシャと、スカートには長いシッポがついていて。
ふわりと膨らんだミニスカートから、白い足が伸びて。
神様……!!
俺が、天を仰いで感謝していると、「もういいでしょ、脱ぐよ」って言うから、
俺は慌ててそれを遮った。
「可愛いじゃん、もっと見せてよーー」
「変態」
「お褒め頂き光栄です」
「褒めてねーし」
そんなことを言いつつ、頬を赤らめて恥ずかしがるのが、より一層かわいい。