「言いたいことあるんだったら、言えよ」


ニヤリと笑った智の目は、いつものぽやんとした感じじゃなくなってて、
これ…知ってる。
見たことある、やつだ…。



この目で見られたら、俺……



智の顔が近づいて、鼻先が触れそうになる。
吐息が唇にかかって…、はあ…って漏れた俺の息が震えてるのがわかった。



グイグイと短い時間に飲んだビールが、なんだか回ってきたような気がする。
目の前がクラクラしてるのは、アルコールのせい?それとも、この眼差しのせい…?




「勃ってんじゃん」


ふふ、と笑って智が、俺のそこをするんと撫でた。

そんなことない、って否定しようとしたら、


「おれも…」


って。

明らかに質量を変えたそれ同士が、スウェット越しにグリグリと擦れる。



「風呂に入ってる時から…こうだったんだろ?」

キラリと目の色を変えた獣が、俺をロックオンした。



「な、んだよ…いい性格してんな…」

「、なにが?」

「わかっ、ててこんな…焦らす、みたいなこと、」

「みたい、じゃなくて…焦らしてんの」



言葉の合間に唇を重ねる。お互いを食い尽くすみたいに、唾液を交換する。
濡れた音が耳を刺激して、自然と息があがる。




「なん、でわざわざ」

「だってさ…おまえ、焦らされると興奮するだろ」



指先が耳の縁を撫でて…そのまま首筋に…それから、背すじをなぞって下に降りて…
ギュッ、てケツを掴まれて、痛みに顔を歪める。



「ふふ…その顔、いいな…」


低く掠れた声に、からだが震えた。







.