このひとパブリックイメージはフニャっとした癒し系天然かもしれないけどね、本性はドSよ?
ことソッチに関しては、絶 倫だからね。ぜ つりん。
そんなひとと一緒に風呂なんか入ってみなさいよ。明日、俺使い物にならなくなるの目に見えてるからね。
この忙しい時期に…。
腰だって痛くなるし…。
無理無理。



そりゃあ、このひととそういうこと、するのが嫌なのかって言われたら…それは、そんなことないんだけどさ…。
むしろ、すごく良かっ…、って、そういうことじゃないの!



「なんでやなんだよーー、いつも風呂どころじゃないことしてるくせ、いてっ!」


最後まで言わさずにバシッと叩いてやった。


「とにかく、バカなこと言ってないではやく風呂入ってきなさいよ」

「えーーー。いいじゃん、一緒に入ろうぜーーー。ね、ね、お願い!誕生日プレゼントだと思って!ね?」



顔の前で手を合わせて、必死な顔でそう言うから…。





まあ、ね。
俺も大概なのよ。なんだかんだ言って、許しちゃう。




「来なかったらやだから、先入って!」

って言われて、半ば無理やりに風呂場まで押し込まれて、
いつ来るか、いつ来るかとビクビクしながらサッと洗って、俺、湯船の中。



入浴剤の柚子の香りに包まれながら、温もってる。




はぁ……。

何なんだよ……。

はぁ……。




俺のため息と反比例するかのような鼻歌が、ドアの向こうから聞こえてくる。

慌てて壁を向いてドアに背を向けると、
あっという間に全裸になった智が、風呂場の折れ戸を開けて入ってきた。


「おまたせー!」


言って、シャワーをキュッとひねった。
頭からシャワーを浴びて洗ってる音。
ご機嫌な鼻歌と、シャーってシャワーの音。
激しい洗い方に、シャンプーの泡が湯船の中に飛んできたのが目の端に見えた。