ビックリしたけど、信じらんないけど、
そんなことがあり得るのかどうかなんてことよりも、
それよりもなによりも、嬉しさの方がマシマシで。
じわじわっと涙が溢れて来た。
「ニノーーー!!」
叫んでオレは、ニノをぎゅっと抱きしめた。
「ニノーー!ありがとう!オレ、がんばる!」
ニノは優しく微笑んで、オレの背中をさすってくれた。
それからは大忙しだった。
身体に負担がかかったら大変だから、ニノは5人のレギュラー番組でも出番少なめに。
ラジオや雑誌の取材をメインにこなすことになって、
そのぶんオレたちのロケが多くなったりもしたけど、
メンバーのみんなも優しく受け入れてくれた。
それから、できるだけ拘束時間を減らして、家でのんびりできるようにした。
少しずつお腹も目立つようになって、ダボっとした衣装が多くなって。
最初の頃こそ時々具合悪そうにしてたけど、あんてーき?に入った頃からは食欲も増して元気そうだった。
楽屋でも、自然とニノを中心にくつろぐようになる。
甲斐甲斐しく、妊婦さんにいい飲み物とか食べ物とか持って来てくれる松潤に、子育てに優しい制度について調べてくれる翔ちゃん。リーダーはそこにいるだけでニノの癒しになるみたいだった。
こないだなんか、
みんなが代わる代わるニノのお腹を撫でていた時に、「あっ!今、動いた!」って翔ちゃんが叫んで、
俺も俺もってみんなで触ってて、
オレが触った途端に動かなくなって…
「このひとがパパじゃやだよーって言ってるのかもね」なんてニノが笑って。
悔しい思いをしたんだった。
みんなには大笑いされたけど、オレ、結構根に持ってる。
それ以来ふたりの時は出来るだけお腹に向かって話しかけてんだよね。
「パパでちゅよー、きこえてまちゅかー?」なんて。
自然と赤ちゃん言葉になっちゃって、ニノやメンバーに笑われながらね。
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