ニノの手が俺の胸元を握る。
抱きしめたときに俺との間でたたまれていた、
クリームパンみたいな、ハンバーグみたいな、
丸くて柔らかな、手。
グーの形に握られていたその手が、ぎゅっと苦しい俺の鼓動ごと掴むように、握りしめたから、
俺は少し身体を離して、その手を取ってキスをした。
キスをしたまま目を合わせると、ニノの目に炎が灯ったようにも見えて。
俺は、そっとその身体をソファーに倒した。
ソファーに倒したニノの上に、のしかかるみたいにしてキスをする。
重なる唇が柔らかくて、ちょっとひんやりと感じたニノの唇が徐々に熱を帯びていく。
あまりにも気持ちが良くて、そのキスに夢中になっていたから、きっと相当長い時間をかけていたのかもしれない。
唇を離してニノを見ると、目をぎゅっと閉じて、小さく震えていて、
手が、白くなるくらい俺の服を握りしめていた。
「どうした…?」
「俺……ちょっと……」
声も掠れて、震えているから。
「怖い……?」
そう言って、頬を撫でる。
「だって…俺、こんなの……、はじめてだ、から……」
いつも強気な、余裕のあるニノの、こんな顔を見るのは初めてで、
胸にドキンと来るのと同時に下半身にも熱が集まるのを感じる。
「かわいい……」
呟いて、チュッ、と軽いキスを落とすと、真っ赤になったニノが、「やめてよ…」と目を逸らした。
そういう仕草すべてが、俺を煽るってこと、きっとニノは気づいてないんだろうな。
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