「嘘だよ!」
「嘘じゃないよ!おれ、付き合ってない人となんかやらないもん!」
「だって!だって!おーちゃん一度もそんなそぶりみせなかったじゃん!
好きとも言ってくれてないじゃん!」
「えっ、おれ、言ってなかったっけ?」
「言ってないよ、一度も言ってないよ!」
「うっそだー!」
「ほんとだって…。だからオレ、おーちゃんがわかんなくて…」
えっ ちだけして、すぐ帰っちゃうくせに、すごく優しかったり。
なんでこんなふうにするんだろうって、何年もわかんなくて、オレ…。
すごく不安だったんだ。
「そっか、ごめんな…」
また、涙が出てきちゃったオレを、おーちゃんは優しく抱きしめてくれた。
「おれ、てっきり言ってるとばっかり思ってた。ちゃんと伝わってるって思ってて。
ごめんな、相葉ちゃん。
おれ、相葉ちゃんがすきだよ。
だから、おれの恋人になってくれる?」
ずっと、聞きたい言葉だった。
おーちゃんはふんわりと、オレの大好きな優しい笑顔で、聞きたかった言葉を言ってくれた。
「オレも…オレも、すき…!大好き…」
オレからも、ぎゅっと抱きついた。
おーちゃんは、ふにゃっと笑って、オレの両頬を手のひらで包んで、ふわっとキス、してくれた。
じわじわじわって、唇からしあわせが全身に染み込んでいくような、
そんなキスだった。
そんな気持ちをかみしめながら、オレよりも小柄な、だけど筋肉質でしっかりしたおーちゃんのからだを胸に抱いて、オレは泣き続けていた。