「なんで泣いてんの…?どっか痛いんか?」





流れる涙も止められずに、オレは頭を振った。






「どーしたんだよ…やだったか?そんな気分じゃなかったんなら、今日はやめとこ」






オレの頭を抱くようにして、ポンポンと頭を撫でてくれる。


それがあったかくて、癒やされて、
ずっとこのままでいられたらな、って思った。






オレを寝かせて布団をかけて、その上からぎゅっと抱きしめて、ぽん、ぽんってからだを叩く。



それがすごく優しくて…余計に涙が出て。



もう、我慢できなかった。









「おーちゃん…」

「ん?」

「おーちゃんはどうしてこんなにオレに優しくするの…?」

「どうして、って…」

「オレ……、おーちゃんが何考えてんのかわかんないよ。
オレのことなんか、ほっといてくれたっていいのに。
どうせ…ただのセ フレなんだから」

「はあ?!セ フレ?!」







オレが言うと、おーちゃんはびっくりした声を上げて起き上がった。






「おれたち、セ フレなの?」

「でしょ?」






そして、目に見えてずーんって、落ち込んだ。
肩を落として、漫画だったら後ろにどよんどよんって渦巻きが見えそうな感じ。







「セ フレなのか…おれたち」

「ええっ。だってそうじゃないの?だって…オレたち、その…やるばっかりだし、
泊まってもいかないし」

「だってその方が楽だろ?相葉ちゃん、いそがしーから…。レギュラーも多いしロケも多いし、無理させちゃダメって思ってたから…」

「そ、それに、キスだってしない…」

「キス、してもいいの?」

「え?」

「だって初めてんとき、しようとしたら顔、背けたから…そういうの嫌なんかと思って」

「そんなことあった?!記憶にないよ!」

「いつも、相葉ちゃん、すっごく気持ちよさそーにしてくれるから、喜んでもらえてるのかと思ってたのに…」

「いや、それはさ…」

「おれ、相葉ちゃんのこと、恋人だって思ってたのに…」

「ええっ?!」

「ええっ?!」








あんまりびっくりして、ふたりでキョトンとして見つめ合った…。