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「思えばあれが、俺達のきっかけだったんじゃね?」




ベッドで横になって天井を眺めながら、なんとなく思いを馳せていた俺は、隣で同じように横になってタブレットを繰る潤に話しかけた。



あれから…俺達もすっかり大人になった。
ずっと疎遠で連絡先すら知らなかったけど、お互いの仕事の同僚が知り合いで、飲み会の席でばったり、なんてドラマみたいな嘘臭い展開で俺達は再会した。






潤は、タブレットの画面を見たまま、ふふっ、と笑う。




「きっかけ、作ったんじゃん。俺がさ。必死になって」

「そうなの?」

「あのねえ、あの頃の2歳の差ってでかいんだよ?俺がどんだけ勇気出したと思ってんの。なのにさ」





ちょっと拗ねたように言う潤が、可愛くて。




「ごめんな、気づかなくて」

「ほんとだよ」

「ごめんって」




ぎゅうっと抱きついた。




「もう、なんなの急に」


くすくす笑う潤にぎゅうぎゅう抱きつく。






「なあー、あれほんとに初めてだったの?はじめからすげえ上手かったんだけど。キス」

「んー、天賦の才能、ってやつ?」

「キスの?」

「まあね?」




ふふっ、て顔を見合わせて、笑う。




「なんだよ、誘ってんの?2回戦も頑張りますか?」

「しません」

「じゅんー」

「しません!さ、もう寝るよ!」




タブレットの電源を落としてベッドの宮に置いて、
シーツをかぶる顔は真っ赤で。


からだはでっかくなってもまだまだ可愛いなって。





「かわいくねーし」

「えっ、聞こえてた??」

「全部口から出てっから」

「マジか」

「マジだ」

「じゅんー!」

「暑いからくっつくなって!」






文句言われながらも結局は許してくれて、
ぎゅうぎゅうくっついて寝た。







あの頃は気づいてなかった幸せの中に、今、俺は居る。




「潤、ありがと」




勇気、出してくれて。
もう一度出逢ってくれて。


好きだよ、って、ちゃんと声に出して呟いて、
俺達は、あの時みたいなキスをした。

















おしまい。














 





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初めての翔潤のお話です。



好きなんです。翔潤。バンビズ。


好きなCPはと聞かれれば、『磁石』『櫻葉』『翔潤』と答える蛍です。
(ニノ担です)








あの、なんというか独特の、距離感!!!
たまりません。





噂に聞いてはいたけれど、若い頃のじゅんくんの、
「しょおくん♡」(←いやハートマーク見えましたよね、)
には、
あらー!!って両手で顔を隠して指の間から覗いてしまいました(昭和なリアクション)




今回は、そのかんわいいじゅんくんが見たくて、書きました。






の、わりには、最終話のオトナな翔潤が気に入っています。笑







お読みいただきありがとうございました!