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……って、それが数日前。



今日は相葉さんはオフ。
俺は、取材が何本か入ってて。
頑張ったから、結構マキで終わった。俺、偉い。




終わったら一緒にご飯食べようね、って言われてたから、相葉さんちへ帰宅。




ただいまーって自分ちみたいに帰ってったら、いつもだったらお留守番のワンコみたいに、「おかえりーっ」って玄関で尻尾ブンブンして出迎えてくれるのが、出てこない。





「まーくん?居ないの?」



入ってってリビングのドアを開けたら…。





そこは、高原だった。












や、言いすぎか。

ダイニングテーブルやらソファーやらは、端に寄せられて、
ありったけの観葉植物が置かれていて。
水色のカーテンは、青い空のつもりなんでしょうな。
床には、レジャーシートがひかれていて。





「なに、これ…」


「じゃーん!ようこそ、ピクニックへ!」





唖然とする俺を見て、満面の笑みのコイビトは言った。




「だってさ、出不精のニノも、これならできるかと思って!ピクニック!」





それでも何も言わない俺に、急に不安になったのか、




「あ、ごめん、やだった…?」




って上目遣いに見るから!


なんだよコイツ!

可愛すぎるだろ!!


俺とピクニックしたいからって、せっかくのオフを使って準備して、
ワクワクと俺の帰りを待ってたかと思うと…
コイツが可愛くて仕方ない。




「ふふ、やだなんて言ってないでしょ。」


笑って言うと、コイビトの顔もぱあっと明るくなった。



「じゃあさ、お弁当たべよ!」



ウキウキと弁当を運んでくる。
手作り弁当。
すげえな、これ全部作ってくれたの?




「ちょっと、こんなに食べきれないでしょうよ!」

「いいじゃんいいじゃん、いっぱいあった方がさ!
…ちょっと、見た目は悪いんだけど…」




盛りだくさんの、まさに行楽弁当から、卵焼きを取って口に運ぶ。
形はイビツで、ちょっと焦げもあって、
でも…。




「美味い」

「ほんと?!よかったー!」




この人の笑顔が、最高の調味料、
なーんて言ったら、キザだよな。






レジャーシートの上で、弁当食べて、なんて、何年ぶりだろ。

他愛も無い話をして、弁当食べて、なんか…。
こんなのもいいなって、思ったんだ。