俺とカズはなかなか休みも合わないから、こうやって週末は俺んちにカズが来て泊まってくことが多くて。
でも今日は無いかな…って思ってたから、驚いた。






「ほんとゴメンね…なんか、お騒がせしちゃってさ」

「ふふ、勘違いなんて…カズらしくないじゃん」

「言うなよ…恥ずかしいんだからさ…」



うつむくカズの耳の縁が赤くなっている。

いつも先を読んで、空気を読んで…勘のいいカズらしくない行動が意外で、でもそれが可愛くて。
なんだかニヤけちゃうのも仕方ないだろ?







「でも……、ちょっと残念かな」

「ん?」

「だって……、転勤が無くなったからさ……あの約束も無くなっちゃったでしょ?」

「約束?」

「3年後……の。俺が大阪から帰ってきたら…、ってやつ」




下を向いたまま小さな声でそんなこと言うから、俺はその、可愛い手をぎゅっと握った。



「わ!なに?」

「早く帰ろう!」

「え?え?」



あの角を曲がれば俺の家があるマンションまであと少し。

つないだ手を離さないようにしっかり握って、俺は小走りに家路を急いだ。

早く帰ってプロポーズ、やり直すんだ。
転勤から戻ってきたら、なんて言わない。
3年後、なんて…悠長なこと言ってられるか。




そうしたら……またあの、嬉しそうにはにかんだカズの顔が見れるかな。




カズをグイグイと引っ張りながら、自然と早くなる足に息を乱して、
俺は、こみ上げる嬉しさを噛み締めた。












(おしまい)






















蛍、初めての末ズです。
ど、どうですか。末ズになっていますか。
真面目で真っ直ぐで、ちょっと青くて可愛い。そんな潤くんと、子犬みたいに可愛くて甘えてくるのに潤くんの前ではちょっとお兄ちゃん出してくるニノちゃん。
そんなところがわたしの末ズのイメージ。
2人で並んで同じ方向を向いて、まるで双子みたいに一列に。
いいなあって思ってて、
初めて書いてみました。


あと、とにかく色っぽく誘うニノちゃんが見たくて( *¯ ꒳¯*)
ちょっと頑張ってもらいました。
すごく酔っ払ってタガが外れたら、大丈夫なんじゃないかなって。




ちょっといつもよりも直接的な表現が多くて、下品になりそうで、心配だったんですが…うーん、バランスが難しいですね。
でももう、これは思い切ってしまいました。






お読みいただき、ありがとうございました!