しん、とした部屋に俺達の呼吸音だけが響いている。
汚れるのも構わずに、力尽きてくったりとしたカズの上に覆い被さった。
「もう……、潤くん、激しすぎだよ…」
「ん……、ごめん……。ていうか、お前が誘ってきたんだろ?」
肘をカズの頭の横について、おでこにチュッと音を立ててキスすると、くすぐったそうに身を捩った。
離れたくない気持ちを抑えてからだを起こして、カズの中から抜け出そうとすると、カズの脚がキュッと俺の腰を押さえた。
「ん?」って笑いかけたら、真っ赤な顔でそっぽを向いて。
そんな様子も可愛くて。
そのままもう一度、ぎゅって抱きしめた。
その後、後始末をする間も、カズはそのままくったりとして動こうとしなかった。
疲れ果てた姫のお世話をするように優しく身体を拭いてあげて、俺もその隣に並んで横になる。
「潤くん……ごめんね」
目を閉じて動かないから、もう寝てしまったんだとばかり思っていたカズが、小さな声でささやくように言った。
横になったままカズの方を見ると、ゆっくりと動いてからだごとこっちを向いた。
俺もそっちを向いて向かい合って横になる。
「……何が?」
「翔ちゃんはね……、元カレだったんだ」
ああ…やっぱり。って思うのと同時に、ちょっとだけ胸が痛んだ。