(side S)






いつもの楽屋。いつもの収録後。

あのあと、歩いてったニノを、余裕の笑みで追ってった智くんだけど、
しばらくして2人で帰ってきた。




ニノはずっと俯いてて……ほらー、やっぱり怒ってんじゃーんって思ってたけど、
収録は無事に終わって、いつも通りだった。
いつも通りニノは智くんにじゃれついて……ん?あれ?




いつも通りだけど、なんか、違う?


なんか、なんか……。
なんだかわかんないまま楽屋に帰ってきた、なう。





2本撮りの2本目を待つ楽屋で、ソファーに座った智くんが、ポンポンと座面を叩く。



「ほら、かず、こっち」




かーずぅー?
え?名前呼び??




ニノはというと怒ることもなく素直に寄ってって、ぽすんと座って。

上目遣いで智くんを見上げた。

うるうると潤んだ目で見つめて……智くんはそれを見てそれはそれは優しい顔で笑って。









「どうなの、あれ」

「んー、やっとだな」

「やっぱり?」




ぽかんとする俺の横で相葉くんと松潤が話してる。




「やっぱりってなに?なに?」

「何って……あいつらやっと付き合い出したんだなってこと」

「つ、つきあ……」

「どう見ても、空気がバラ色じゃーん」

「ほんと、長かったよな。いつまでこんな感じでいるのかと思ったけど、やっと動いたか」

「リーダーが男、決めたよね!かっこいい!」

「ふふ、おせーよな」

「ええ!みんな知ってたの?」

「知ってるも何も……ねえ」

「逆にそれ以外どう見えてたのって話だよな」






顔を見合わせてくすくす笑い合うふたりに、ぽかんと口を開けた俺……。