クラスでは、いつも通りなんだよ?

いつも通り、休み時間、参考書を広げる翔ちゃん。松本くんと一緒に…。


翔ちゃんと松本くんは、クラスでも、いっつも一緒。
休み時間に勉強するのも、お昼ご飯を食べるのも。
いいなあ…。
ふたりが一緒にいるのを見ると、胸がズキン、って苦しくなる。
だってさ…2人ともかなりのイケメン。
なんだか、お似合いでさ…


もしかしたら、松本くんに怒られたのかな?
相葉となんか、遊んじゃダメ!って。
だってほら、こないだも、こっち向いて、睨んでた…。



はぁ、と小さなため息をつく。
やだな、オレってば。
松本くんにヤキモチ焼くなんてさ。
翔ちゃんだって、きっとやだよね、こんなの…。

あっ、だから、来なくなっちゃったのかな?
なんか、オレから気持ちが漏れ出てて、それで来なくなっちゃったの、かも…。
考えれば考えるほど、マイナス思考になっちゃう。
ダメダメ!
集中集中!
オレは、頭を振ってピアノに集中した。
集中しすぎて、久しぶりに翔ちゃんがピアノ部屋に入ってきてた事にも気づかなかったくらい。



ピアノを弾き終えて顔をあげると、そこに、翔ちゃんがいた。

久しぶりにここで見る、翔ちゃんの顔…。

窓から差し込む夕陽が、黒髪を照らして、輝いて見える。
その、二重のクッキリとしたくりくりした目がさらに真ん丸になって、オレを見ていた。
夕陽が映ったせいかな?頬がほんのり赤い。


久しぶりに会えた嬉しさに、モヤモヤしていた気持ちが一瞬でふっとんじゃった。