「…で?何があったって?」

夕飯のあと。俺の部屋で寛ぐ智くんに、さっそくそう聞かれて。



「あのさ……
これは、友だちの話なんだけどさ…」


そう念押しした上で、今までのことを話した。

新しく友だちになった人と、秘密を共有していること。
仲良くなって毎日が楽しいこと。
そいつが告白、みたいな事されてるのを聞いて、
それ以来、そいつのことばっかり目で追ったり、考えてしまう事。
モヤモヤする事。
しかもソイツは…男だって、ことも。





「ふーん…」

「ふーん、って…」

「あのさ、しょーくん、こんなにわかりやすい答えねーよ。

しょーくん、それは、

恋だ!」



びしいっ!
と指を指して言い切る。



「な、何言ってんだよ!恋なんて、そんなっ。
俺は、そんなつもりでアイツと付き合ってるわけじゃ!」

「『俺』、ねえ…『友だち』、じゃなかったの?」

「あっ…」



「しょーくん、頭いいのに鈍いんだよ。いや、固いのか?
頭ん中でぐるぐる考えてばっかでさ。
もっと自分の気持ちってヤツに正直になった方がいい。」

「智くん…」

「松潤の気持ちにも全然気づいて無いんだもんな…かわいそーに。」

「え?なんて?」

「や、何でもない。
それより、最後はココだぜ!ココ!」

胸の中心でハートマークを作って、アイドルばりにキラーンと笑った。


「ハハッ、なんだよ、それ…」


力が抜けた。
あっさりと…
俺の中にうっすらと浮かんでいた答えを言っちまった。
ハハッ。
やっぱり智くんはすごいな…。
固くこわばった気持ちが、楽になったような気がした。