言葉にできないそういういろんな想いが、伝わんないかなって、じっと翔さんの目を見つめてみる。
黙って、じーっとみてたら、
翔さんも俺をみて、微笑んだ。
その、目が……表情が、明らかに、「好きだよ」って言っている気がして、
胸の奥が、ズキン、てなった。
もしかしたら、俺もこんな目をしてるのかな…って思ったら、
きっと、俺の思いも全部伝わってんのかもしれない、って、
嬉しいような、恥ずかしいような、くすぐったいような気持ちになった。
まるで、はじめての恋みたいに。
夜に近づいた俺たちは、これからも、ずっと…。
「ねえ、翔さん」
「んー?」
「あのね……、俺、翔さんにいっぱい伝えたいことがあるんだ」
「うん」
「言葉にしなくても、伝わることがあるってわかったけど…それでも、言葉でも、伝えたい」
優しく微笑んで、聞いてくれる翔さんに、ぎゅっと抱きついた。
「だけどあんまりいっぱいありすぎてさ、話してたら多分朝になって…もしかしたら今日中には終わらなくて…明日になっても、明後日になっても…」
「おいおい、そんなにあんのかよ」
「だからさ、ずっと聞いてくれる?俺の話、ずっと、ずーっと…じいさんになっても、ずっと」
「カズ…」
「ずっと、俺の隣にいてくれる?」
抱きついた俺の髪を解くように撫でていた翔さんの手が、止まって。
力一杯抱き返される。
「当たり前だろ。ていうか、ほんとにいいの?俺で」
「翔さんがいい。翔さんじゃないと、やだ」
「カズ…」
隙間がないくらいくっつき合って、見つめ合って。
こんな時間がこれから、どのくらい続くのかな。
これからも波風、たつとは思うけど。
乗り越えて、もっと強くなるって、思う。
できればずっと、ずっとこの幸せが続きますように。
だから想いを語り合おうか。
時間はたっぷりあるからね。
「あのね、翔さん……、俺ね」
close to the night
おしまい。