ふと、ふふ、と相葉さんが笑った。


「何?」


「ううん、ニノさ、今日はショックだったでしょ。ゴメンね。」


「…だから何がよ」


「だってさっきから、CMに翔ちゃんが出るたびにじっと見てため息ついてるよ。」


はあ?!
な、何を言い出すんだよこの人は。


「そんな事しねーよ!気のせいじゃねーの?」


「してるって。ほんと。」


その時、タイミング良く…悪く?翔さんのCM。
ぱっと顔を上げて、見る。


「ぷっ、くくく…」

「なんだよ、笑うなよ…」

ムッとする。


「うん、ごめんね、ニノ。翔ちゃん、怒ってたもんね。」


「別に…気にしてないし」


顔が熱くなって、きっと今、真っ赤になってる。俺。
なんですぐに顔に出ちゃうんだよ!クソ!
一時期の大野さんみたいに真っ黒に焼こうかな。そしたら目立たないだろ。
気持ちを落ち着けるために関係ないこと考えたりして。




「ニノはさ、翔ちゃんが、好きなの?」

そんな俺に、天然さんが爆弾ぶっ込んできた。


「はぁ?!」


思いがけないワードに慌てる俺を、相葉さんが優しい、優しい目で見た。


「いいと思うよ。うん…。ホントに。
ニノ、ココ最近すごく幸せそうだったもん。
だからさ、早く仲直りできるといいね。」


やめろよ…そんな、何もかもわかったようなこと言うなよ。
俺にだって、わかんないっていうのに。


そんな俺を見て、相葉さんは、微笑んでいた。



その後、家に帰ってからも、相葉さんに言われた言葉を考えていた。



俺は、翔さんが、好きなの?



たしかに、一緒にいると楽しいよ?
会話も合うし、よく理解してくれるし、よく見ていてくれるし。
尊敬出来るところも沢山ある。
何よりも、翔さんの隣は居心地がいいんだ。


でもさ……。
だからって……。



あー、わかんない!わかんないよ!


俺はそのまま布団をひっかぶって、寝ることにした。