今日も、ニノとメシ行けたらいいな、と思っていたから、
このあとの予定は何もなくて。
仕方なく、近所のスーパーで、割引になった惣菜をいくつか見繕って帰宅。
プシュッ、といい音を立ててビールをあけて、惣菜をツマミに晩酌…。
あーあ。
ホントだったら今頃、ニノとメシ行って笑ってた筈なのにな…。
見るともなしにつけたテレビの、芸人さんの笑い声も、虚しく響く。
ここ最近、仕事で一緒になる時は、できる限り後の予定を入れないようにしていた。
あいつは着るもの同様、食いもんにも無頓着で、なんなら毎日同じもん食ってても気にならないようなやつで。
だから、そんなニノに、俺の知ってる美味いものを食ってほしいって…。
少しでも、食の楽しみを分けてあげたくて…。
って。
そんなの、言い訳だ。
ニノと、少しでも一緒に居たかった。
『翔さん、これ、美味い!』
って、笑ってくれる顔が…。
なんなら、これ、微妙…みたいな渋い顔だって、なんだっていい。
他愛もない馬鹿話で、互いに笑って。
ニノの琥珀色の瞳が、俺を見て。
俺を見てくれるニノを、見つめて。
一緒に居られるだけで、それだけで、いいんだ。
それなのに…。ニノはなんにも悪くないのに、俺の醜い感情が、カッとなって溢れ出てしまった。
嫉妬したんだ。
柔らかなカラダを持ち、堂々と自分をアピールできる、あの女の子に。
距離感が近くていつでも触れ合える所にいる、相葉くんや智くんに。
「次の収録の時…謝らなきゃな…。」
ため息と一緒に、缶に残っていたビールを、一息に飲み干した。
.