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まあ、いろいろありましたけどね。

日常がやってきましたよ。


起きて、仕事して、帰って、風呂入って、メシ食って、酒飲んで、ゲームして、寝る。
その繰り返し。


だけどさ、気分がちょっとスッキリしたせいかな。
すごくまっさらな…楽な気持ちで過ごせているような気がする。



俺がそんな感じだから、相葉さんとも…
なんか、さらっと付き合えてる、と思う。


無理は、しなくなった。


時間が薬になるってホントだね。


穏やかに、緩やかに、
俺の中に日常が帰ってきた。






「なあ、ニノ」

「ん?なに、潤くん」


楽屋でふたりになるのを待ってたのか、ほかの3人が撮影で抜けたとたん、潤くんがすぐに声をかけてきた。




「あれ…。わざとだろ?」

「何がよ?」

「だからー、ほら、撮影のときの…。」

「ふふ、だから、なにが?」

「だから、ほら…まーの…」


言いながら、真っ赤ですよ、潤くん。
色が白いから目立つんだよね。

「なんかさ…あれじゃん、最近…。不必要に、まーにくっつき過ぎじゃない?
トークもさ…。
なんか、まーの話題ばっかりでさ。
いかにも、一緒に居るよ、っていうか、なんでも知ってるよ、みたいなさ。
まーもまんざらでもない感じでさ…。」


「なに?潤くん?」

くすくすと笑いながら、立ち上がって潤くんの前に。
顔をぐっと近づけて囁く。


「ヤキモチやいてんの?」

「なっ、ばっ、そんなんじゃねえよ!」


ぷくくく、焦ってる焦ってる。


「なんでー?俺が相葉さんに絡むの、前からじゃん。
潤くんって…意外と独占欲強いんだね?」


「だってお前、まーに絡んだあと絶対、俺の方見てニヤニヤしてんだろ?」

「ええー。だってえ。潤くんが俺のこと睨んでくるからぁー。」

「睨んでねえよ!」

「えー、じゃあ無意識?
くふふ。こわーい。
でもさ、もし、ホントに、相葉さんに怖い思いや、嫌な思いをさせるとしたら…。

俺、潤くんのこと、許さないよ。」

真剣な目で、見る。
潤くんが、ぐっと息を呑むのがわかった。




ふふ、と笑って、言う。

「あの人、見た目以上に繊細だからさ。よろしく頼みますよ。ね?」

「…わかってるよ。」

「ま、もしまた、潤くんがあの人のこと泣かせるようなことがあったら、ワタシに返してもらうだけですけどね?」


「は?なんだよ、それ」


くふふ、って笑って言ってやったら、慌ててる。


「どういう意味??」

って言ってるけど、答えてあげなーい。


そんなこと、万に1つもないってわかってるけど。
意地悪くらい、言わせてよ。






そんなこんなしてたら、3人が帰ってきた。



「おまたせぇ!」

「次は2人だよー!!あ、ねえねえ、さっきケーキあるの見ちゃったんだけど!リーダー、食べるぅ?」

「食べるぅー!しょーくんはぁ?」

「翔ちゃんの好きなチーズケーキもあったよー!」

「ええーっ、食べるぅー!」


……。
ちょっとピリッとしてた楽屋が、スイーツ男子たちの女子力高いトークによって一気に和やかになった。



潤くんと、顔を見合わせて、

「じゃ、オネエは置いて、お仕事してきますか」

「ですね」


「えーっ、オネエじゃないもーん!ねーっ」

「ねーっ」



ふふ。やっぱり、いいな、嵐って。



お蔭さまで、こんなに元気になりました。

今日もお仕事、頑張ります。