相葉さんの顔を見て、俺は、感じたんだ。

やっぱり…
潤くんに会わせてあげなくちゃ、って。

このめんどくさい頑固な男は、このままにしといたらずーっとこじれたままだと思ったからね。



それに、俺のためにも…。





すぐに玄関のインターホンが鳴る。



「まー…。ここに居たんだ…。

迎えに来たよ。」

潤くんは、早足で入ってくると、そう言って相葉さんに近づいた。


相葉さんは、数歩、後ずさりして距離をとろうとする。


「潤くん、オレ…やだよ。帰らないよ。」

「まー…。さっきは、ごめん…。ちゃんと話したいんだ。」

「…オレから話すことなんかないよ。オレの気持ちは、さっき言った通りだから。」


頑なに目を伏せる相葉さんに、俺は、敢えて大きな声を出した。


「あーあ!!
揉めるにしてもイチャつくにしても別れ話するにしても、よそでやってもらえますー!?」

「ニノ…。」

「俺、明日早いんだよね!!ゲームだって途中だしさ!!
さ、早く帰んなさいよ!」



「で、でも、オレ…」

「ニノ、ありがとう。さ、行くよ、まぁ」

「さ、さ。お出口は、こちらでーす。」


半ば強引に、相葉さんを玄関へ誘導する。


「おつかれー。また、仕事ん時にね。」

「うん…。ありがと。ニノ。またね…。」




カチャリ、と扉が閉まって…。

俺はその場にしゃがみこんだ。

頭を片手で抱えるようにして、ため息をつく。



「はぁ……。もう、しっかりしてよね…。

アンタがフラフラしてたら、いつまでも俺の気持ちも落ち着かないんだからさ…。

潤くんも…頼むよ…。」



今度こそ、ちゃんとくっついてよね。
たのむよ…。






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