ハァー…って潤くんが、デカいため息をつく。
「松潤、どーした?ケンカでもしたかぁ?」
のんびりした声で、大野さんが聞いた。
「ケンカなんか……してねえよ。」
「でも…」
「なんだか、わかんねーんだよ…。話したくても、ゆっくり会う時間もねーし。
クソッ、なんでだよ……」
ソファーに座った潤くんが、頭を抱えて俯く。
これは……完全に、俺のせいじゃないの?
ほかに考えられないよね……。
俺は、かける言葉も見つからなかった。
いや……何も言えなかった。
俺のせいで?
俺が、楽になりたくて…言ったせいで?
さっきまで、言って良かったなーなんて気楽に考えていたのに、
今になって急に、自分勝手だったんじゃないかって…
俺の独りよがりで、大切なふたりを苦しめてるんじゃないかって…
急に、怖くなった…。
「どうした?ニノ?顔、真っ青だぞ?」
気づかないうちに、翔さんが俺の横に来ていた。
心配そうに顔を覗き込まれる。
「や、別に…なんでもない」
翔さんの視線から目をそらす。
翔さんの視線は、全てを見抜かれてしまいそうで…今は、怖い。
慌てて支度をして、みんなの視線から逃れるように楽屋をあとにした。