収録は、順調に終わった。そりゃ、みんなプロだからね。プライベートを仕事に持ち込んだりしない。



仕事中はね…。
俺も、頑張ったけどさ。
なんか、どっと疲れた…。



楽屋に戻って、すぐ着替えて帰ろうとしたら、
衣装のパンツを脱ぎかけて片足に引っ掛けたままの変なカッコの相葉さんが、コケそうになりながら慌てて声を掛けてきた。



「…何よ、脱ぐか着るかどっちかにしなさいよ。」


「だってモタモタしてたらニノ、帰っちゃうじゃん!」



そのまま、近くに寄ってきて小声で言う。



「ねえ、ニノ、どっか具合悪い?」


「は?何で?」


「だって、何かいつもと違うよ。ちょっと顔色も悪いみたい。熱でもあるかな…」




そう言って俺のおでこに手を置こうとするのを、さり気なく避ける。




「熱なんかねーよ。なんだよ、触んなよ…」


「熱じゃなければ…なんか、悩み事?」




小声で顔を覗き込んでくる。
思わず反射的に目を逸らす。




「よし、わかった!ニノ、今日はこれからニノんち行くわ!」


「はあ?!何でそうなんだよ!アンタこれから潤くんとデートじゃねーの??」




急に大声で言う相葉さんの声にキーンとなりながら、俺は慌てて小声で言った。



「そんな顔したやつ、ほっとけるかよ。待ってろよ、準備するから。」



スゲー男前な顔で有無を言わさずそう言った相葉さんは、潤くんと少し話をした後大急ぎで支度をしている。




そんな顔って、どんな顔だよ…。
心配そうに翔さんがこっちを見ている。
俺は、耳が熱くなるのを感じながら、言われるがままに相葉さんを待った。