さくらちゃん(オリジナル)*。 | *一生涯のお友だちは大切*

*一生涯のお友だちは大切*

睦月生まれ、本多実夢(ほんだみゆ)です♪
長野県の佐久市育ち。
特に「INI、藤牧京介君」と出身地が同じです。
鬼はさくらちゃん。
塗り絵、執筆とウクレレ好き♪
夢は作家、シナリオライターになることです。

  さくらちゃん

 

そのこは わたしが 三さいのとき、とつぜん、やってきた。

なんねんうまれなのか、どこうまえなのかも わからない。

けれど わたしは そのこをきにいり、だいじにしていた。

そのこには『かみなりちゃん』という なまえをつけた。

ももいろの かおに ちいさなおめめ、おおきなくち。

きいろい つのがあり、トラのパンツをはいたぬいぐるみさん。

わたしの のどのしゅじゅつの ときも おかあさん、おとうさんと いっしょに びょういんにきてくれた。

なきむしな わたしにとってのしんゆう。

いつも ねるときにいっしょに ねる。

どこに いくにも いっしょで、わたしのたんじょうびは かみなりちゃんの たんじょうびでもあった。

大雨のような 雨がふっては、あまどから いっしょに 空をみて

「雨雨、やめやめ」

とおねがいした。

おかあさんが わらっている。

「かみなりちゃんは かみさまだもん。雨、やませられるよ」

しばらく

 「雨雨、やめやめ」

すると、ほんとうに 雨がよわくなり、やんでいく。

はんたいに なつの あめのない日は

「雨雨、ふれふれ」

するとポツポツと雨がふり出し、ザアザア雨になる。

おかあさんは「すごいね」といっていた。

けれど、おとうとや いもうとが うまれると、かみなりちゃんは、ひっぱりこになる。

あるときには てをひっぱられたり、なげられたり、おとなになったわたし。 

きづいたら、かみなりちゃんはボロボロになってしまった。

トラのパンツから わたが あらわになってしまった。

おかあさんに はなすと

「もう、そうっとベッドにおいておいたほうがいいんじゃない?」

とはなすほど、かわいそうな すがたになってしまった。

けれど、なきたい ときは かみなりちゃんを だいてなく。

かみなりちゃんのかおをみると

「だいじょうぶだよ」

といってくれそうな かおをする。

ぬいぐるみは ことばをださない。だが、そういっているような かおつきをしていた。

それから しばらくして、ぬいぐるみのしゅうりをしている おみせがあるのをしった。

すくない ちょきんを はらって、しゅうりを おねがいすることにした。

さいしょはわたしが なおしていたが、とうとうわたしでは なおせないところにまで いってしまったからだ。

だんボールに いれておくるときは かなしいきもちがした。

ずっと いっしょにいただけに いなくなるとなるとつらい。もしかしたら、もうかえってこなくなるかも。

そうおもうと、だすのをすこしやだくなった。けれど、しゅうりしたら、またかみなりちゃんとおはなしできる。

「いってらっしゃい。かみなりちゃん」

と おくりだした。

いつもベットの よこにいた、かみなりちゃんがいない。

なおしもらってるんだ、そうおもってもどこか さびしいきもちが あふれた。

しゅうりの おみせから でんわがくる。

「りゅうりとクリーニングで 三かげつかかります」

三かげつ。

三かげつごは、一がつ。わたしのうまれたとし。

かみなりちゃんとは わたしの たんじょうびに はじめて であった。

だから、わたしが十さいになったときに あたらしい うまれ かわったすがたで かえってくる。

はやく あいたい。

だきしめて、こんどは だいじにしていきたい。

かみなりちゃんは、いつも わたしが がっこうや おしごとから かえってくるのを いつもまっていてくれた。

だから、こんどは わたしがまっている。かみなりちゃんが かえってきたら なんてていおう。

「おかえり。たんじょうび、おめでとう」

かな。

「大すき!」

っていって、だきしめてあげたい。

かみなりちゃんのそつぎょうしき。

わたしは 『かみなりちゃん』 じゃなくて 『さくらちゃん』とよんだ。

だって 赤でもなく 青でもなく さくら色のかみさまだったから。

さくらちゃんとは えいえんに ともだち。

ずーっと おともだち!

 

参考:ゆず「守ってあげたい」