最近、まるで駆け込み寺のように勉強が上手くいっていない生徒が入塾してくる。ほんの数年前までは偏差値60以上の進学校に通う生徒が多かった。大学受験専門塾なので、指導内容は進学校の生徒向けの内容が中心である。でも今は、入塾時の偏差値が40から50くらいの生徒が大半を占めている。

以前と比べ、今は一つひとつのことを生徒にできるように仕上げていくのにとても時間がかかっている。少人数と個別の指導スタイルなので、生徒の状態を無視して先に進めるわけにはいかない。

今年の春、塾生全員が大学に合格した。合格率100%である。入塾時の偏差値が50を超えているものは一人もいなかった。全員一つひとつのことをできるようになるまで時間がかかった。例年行っている指導内容をすべてやりきることができなかった。それなのに全員合格できた。

全入時代とはいっても、大学受験は二極化しており、名の知れた大学は倍率が高く、安全志向の受験生も多いため偏差値50~60くらいのレベルの大学は大激戦である。志願すれば入学できるのは下位の大学ばかり。塾生たちは決して妥協せず、激戦を勝ち抜いた。

なぜ合格できたのか。何が良かったのか。

この春とそれ以前との比較で確信したことがある。

それは、『どうすれば合格できるのか』という問いに対する明確な答えである。



その答えはずばり『メンタル』である。



そして、その『メンタル』をつくる『マインドセット』の方法がある。



(つづく)