理解不可能、男女の心理
純愛ではない、大人の理不尽なつながり
原作:吉田修一(2008年)
監督:大森立嗣
主演:真木よう子(尾崎かなこ)
出演:大西信満(尾崎俊介)
:大森南朋(渡辺一彦)
:鈴木杏(小林杏奈)
:鶴田真由(渡辺の妻)
「悪人」「怒り」の作者作を、大森立嗣(大森南朋の兄)が描く
主演女優賞を真木よう子が国内で多数取った作品で、モスクワ国際映画祭で審査員特別賞を受賞している。
キャッチコピーは「ごく普通に見える夫婦。だが二人は残酷な事件の被害者と加害者だった」
正直表現が難しい作品です。理由は純愛ストーリーでもなく、増悪の復讐劇でもないのですから。でも復讐心は少しあり、心を許したところも少しあり、大人の性を満たすところもあり。
赤い糸、黒い糸、青い糸、その他異なる色の糸が細く、そして今にも切れそうな状態で絡み合い、しかし切れずに現状を維持している。
贖罪に来た加害者に、「幸せにならないために一緒に居てあげる」なんて言えませんよ普通は。
この映画は考えても理解不可能。貴方が感じる事が出来るかどうかで評価は極端に変わります。しかし1つだけ書かせてもらうと、記者の渡辺が取材調査をしなければ、絡み合った糸は切れなかったでしょう。
大人の理不尽さを堪能したいと思う人は鑑賞して下さい。R15指定
映画 さよなら渓谷 2013年公開(お薦め度★★☆☆☆)