ーさてと、このシングルは季節ものって感じで狙ってるね、君たち?
達也ー冬のセーターっていうぐらいだで、あの、あれよ、毛糸の会社からタイアップもつくかもしれんし
浅井ーブラザーの編み物のタイアップも来ると思っとたし(笑)
達也—愛媛ミカンからタイアップ来ると思っとった
ー何で?
達也ーおばあちゃんがこたつでセーター編んどるんだが。
でその横に愛媛みかんの段ボールが置いてあって最後に「ポンジュース」って言うんだが。
それくらいマジなんだが、このシングルは。
ーそこまでは読めませんでした、お見逸れしました(笑)
照井—本当にこのシングル狙っとると思っとった?
ーもうバリバリ(笑)
照井—それは全然考えとらんかったよ
達也—ホント偶然だったのよ。前からシングルは冬のセーターにしようと思っとったんだわ。
それがちょうどこの時期にそうなっただけ
—いや、ブランキーにも少しは商売気が出てきたのかなと思ってたんだけどね
達也—それはバリバリあるよ。これからはマジで商売するよ。
ーでもこのシングルはプロデューサーの土屋正巳さんのカラーが凄く出てると思ったんだけど。
一風堂の初期の頃の感じが。
浅井-聴いたこと無いでわからん
ーギターの音とかボーカルの感じとか凄く一風堂のイメージがあるんだよね。
だからいわゆる一風堂ってすみれセプテンバーラブのイメージってすごくあると思うんだけど、、
照井—俺もそれしか知らんもん
—じゃなくてもっと初期のデビュー当時の頃ってこんな感じだったよね
浅井—土屋さん凄い面白かった余。最初土屋さんが言うには「ブランキーはオレとやればバリバリだで」って
—土屋サンは「だで」とは言わねえよ、「だで」とは!(笑)
浅井—「だで」とは言わんけど、「ブランキーの音で今正しい音を出せるのは俺しかおらん」って断言するんだわ。
そうすると「そうだよなあ」ってなるじゃん?ほんで実際やりだしたら凄いいいもんでさ、楽しかったよ、レコーディング
照井—だからそうやって断言したっていうのは俺んたちとやりたいっていう意欲じゃん?そういう意欲が無くちゃあ、その人信用できんしさ。まずそれが必要だったし、それでやってみたらホントのいい音、俺んたぁが納得できるような音を作ってくれたし大正解。
ー1stの時のプロデューサーのジェレミーとはかなり違う?
照井—違う。最初の時点から全然違う。音の作り方の元から違うっていうか、、何て言やあいいんだ?だからその人間が違うの!(笑)
浅井—だからジェレミーが俺たちの音を聞いてこういう感じだと思うのと、土屋さんが聞いて思うのは違うって事。
それは人間の性格が違うようにさ。
—初めに「こういう音にしたいんですけど」みたいな話し合いはしたの?
浅井-それはしてないけど、「電気的な音じゃない」ってことは言ったけどね。「生の音」ちゅうこと。
達也ーなまなま笑
‐生っぽい音だよね、凄く
浅井‐生だもん。ベースもラインの音一つも無いし.全部生だよ、ギターもボーカルも。
達也ーなまなま(笑)なまっでっせ、あんた(笑)
ーところで3人は手編みのセーターとかもらったことあるの?
照井—ないない。欲しかったけどね、憧れとった。
中学の時とかそういうのに憧れるじゃん、ドラマとか。
達也‐ヤッパリ嬉しいであれは。
ーとおっしゃる達也先生はもらったことがあると?
達也—あるよ。嬉しいて、たとえどんな作品であろうと(笑)
浅井ー俺はおばあさんと彼女にもらった。
照井ー相手がどんな相手だろうと大抵嬉しいだろうね。
達也ーホント嬉しいよ。
照井-そういう自分は?
ー俺?俺はくれるっていう女の子はいっぱいいたけど、なんか一編み一編みに怨念がこもってそうで怖くてもらわなかった(笑)
達也ーそういえばロンドンでワン・ハンドレッドクラブに行ってジャズを見てきたんだが、どえらいカッコ良かったな。
‐ジャズって?
照井ービーバップっぽいヤツ。
ウッドベースの人がドエライカッコ良かったな。
ーそういえば最近はウッドベース弾かないね?
照井—弾かないねっつったって、無いもんウッドベース(笑)
ーこの機会にまた買おうかなって?
照井ーだってお金が無いんだわ(笑)
ー何をおっしゃいます、ずいぶん稼いでるじゃありませんか。
照井—何を言っとんの!
俺、今回印税は入っても手元にも一銭も残らんもん。
ーどうして?
照井ーだって借金あるもん(笑)
達也ー俺ら騙されてとらへんか?全然もうからんってあんた!何のためにやっとるんだ!、、っていうわけじゃないんだよね。
ーでもさ、今バンド目指してる人も「バンドはもうからない」って思ってるじゃない?
それって絶対よくないよね。だって夢を売る商売のみんなのあこがれの的が借金抱えてちゃいけないんよね。
照井—でもあんまり気にならんけどね。「借金で印税とんでまうがや!」ってどえらい落ち込むことも無いしね。
達也ーでもガンズ&ローゼズなんてプレゼントで自分の住んどった家あげちゃうんだよ、1200万円!
浅井ーホント!スッゴイわ、それ。
達也—応募しようかな、俺(笑)でもそういう豪邸に住むためにロックやっとるわけじゃないしね。
それは後からついてくるもんだで。
照井ーそういう金とかに価値を見出したらロックンローラーとしては堕落していくんじゃないかなぁ?
そっちの方に価値があるっていうのはおかしいじゃん?素直な気持ちで音楽やってないって事じゃん?
ーこういう話があってね、ジミー・ペイジがレッド・ツェッペリンを結成するときにロバート・プラントを「一発金儲けしようぜ」って誘ったっていうのよ。俺この話大好きなんだけどさ。
照井ーそういう精神は絶対必要だと思うよ。でも、大金とか豪邸とかが手に入ってもその人にとってそれが大したものではないっていうのが分かっとればさ、そういう人だったらどれだけ大金持ちになってもカッコいいままでいられるんだけど、それを尊いと思っちゃうとさ。
ーそれを最終目標にするのはまた話が別だもんね。
達也ー俺も最初やり始めた頃は「ばかやろー、おれはリムジンに乗ってプール付きの家に住むんだ!】って思っとッたけどやってく内にどんどん変わってきちゃったもん、貧乏が美徳のような気がしてきちゃって(笑)
そしたらよくないもん、変なもののばっかりのさばっちゃってさ。
だったら俺たちが出てって蹴散らすしかないから、頑張っております。