今回が牛肉の読み方の不思議シリーズの最終回です
前回までは、和牛のことを「○○うし」と呼ぶのは、「まつさかうし」と「おうみうし」だけで、あとはすべて「○○ぎゅう」だと言う話をしました。
ところが、和牛云々の前に、予てからもっと素朴な疑問がありました。
豚肉→ぶたにく
鶏肉→とりにく
牛肉→ぎゅうにく
なぜ、うしにくと言わないのでしょうか?
と、ずっと疑問に思ってました。
それでまた例によって、色々調べて居ましたら、またまた意外なことを知ることができました。
つまり、変なのは、牛肉(ぎゅうにく)ではなく、逆に豚肉(ぶたにく)と鶏肉(とりにく)の方だったのです。
これからは、どちらかと言うと漢字の読み仮名の説明になります。
まず、漢字の読み方には次の2種類ありますよね。
音読み(漢語:中国式)
訓読み(和語:日本式)
そして、2字熟語の場合、通常は、
「音読み」+「音読み」あるいは、
「訓読み」+「訓読み」と揃えるのが一般的です。
ここで、見落としていた事は、肉(にく)は訓読みと思われていましたが、実は音読みだったのです。
もうひとつの定義として、読み方が1種類しかない漢字は音読みだと言うことです。
肉(にく)がそうですし、他にも、駅(えき)・席(せき)・本(ほん)・運(うん)・損(そん)・論(ろん)などです。
とりにく 「訓読み」+「音読み」
ですから本当は、
豚肉(とんにく)・鶏肉(けいにく)と呼ぶ方が正しかったと言うことになります。
一方で、音訓を混在して呼ぶ方式も認められており、豚肉(ぶたにく)・鶏肉(とりにく)と言う現代の流れは、下記の湯桶読みが採用されているからです。