体験から来るブラック企業紹介 特別養護老人ホーム 健誠会 シニアガーデン アリス【改訂版】 | 時事問題・芸能・スポーツをGENG_TOCK(aka孔哲)が語る。テーマ別をクリック‼︎

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実体験から、ブラック企業の実態を伝えたい。何かと注目を集めやすい話題であるが、よいテキストをアップしても、読んでもらえなければ意味がないという本音もある。

また、暴力的で非生産的な行為を日常的に繰り返す反社会的な企業を糾弾したいという思いもある。

いずれにせよ、個人攻撃を出来るだけ避け、企業と施設の問題を中心に書いて行きたい。


記念すべき第一回は、私が一昨年まで勤めていた、南麻布は広尾駅近くある、特別養護老人ホーム・シニアガーデン・アリスである。

この施設は、建物と立地環境だけは立派だが、よいところは一つもない。同じ建物内に併設され、同じ社会法人が運営する障がい者用の施設は、さらに厳しかったようだが。

この施設はユニット型で、一人のヘルパーが10人前後の高齢者を介助する。私は四日目だったと思うが、OJT(何でこんな気取った言葉を使うのかね)を外され、一人で業務に就いた。なので、この施設で学んだ技術は、個浴での器具の使い方だけで、あとは何一つ学んでいない。既に持っていたスキルだけで仕事を半年ほど続けた。

つまり、指導や教育の体制がないのである。管理者との絡みはほぼなく、責任者は殆ど現場に来ない。よって、事故を揉み消すことなど容易である。

私は派遣として時給で働いていたが、社員の給与はかなりの高額らしい。そうしないと、人が続かないからだろう。もちろん、その給与の大半は公金から支払われている。そして、結果として給与が目的の社員が残ることになり、理想や技量を持ったヘルパーは、退職してしまう傾向にある。

さらに居残り、実権を得て給与を上げたい為、社員同士や派閥の争いもあったようだ。

これだけ管理がずさんなら、入居者への対応もレベルは低くなる。私自身も、介護の業務自体は変わらぬペースで続けたが、創意工夫や居住者への気遣いは徐々に失われた。老人ホームで働くのは初めてだったので、正直施設というものは、こんなものだろうと思っていた。

それゆえ、致命的な事故が起こる可能性もある。服薬のミスは死亡事故に繋がる可能性があるが、そのチェックもヘルパー一人目測確認のみなので、度々起きていた。

また、私が在籍中で起きた最も酷い事故は、全身が麻痺して寝たきりの高齢者の大腿骨が折れたというものだ。移乗は必ず二人で行っていたので、おそらく夜勤者が排泄介助の際に無理に脚を広げたのが原因と思われる。しかし、骨折してから数日経ってから判明したので、事故を起こしたヘルパーは判明しなかった。これだけの怪我を負わせれば、当事者が気付かない訳がない。もし、気付かなかったら、それ自体が問題である。つまり、報告義務を怠って、骨折を放置し、何食わぬ顔で業務を続けていたのだ。幸い私は、その方の排泄を行っていなかったので、容疑者にならなかったが、もし自分だったら、責任を取り、すぐに退職しただろう。

また、自立支援への対応は、ほぼ皆無であることも大きな問題だ。居住者は、食う寝るを繰り返し、衰えて死んでいくしか道はないのだ。


まだまだ、この施設の問題は数多くある。例えば、看護師がえばりちらし、介護士を下に見ているとか、現場にまったく入らない事務長が人事をやっているとか、利用者の家族からのクレームに、施設長はノータッチだとか。これくらいで十分でしょう。法律で定まっている義務に違反していて、事務方がそれを役所に隠すのに苦労しているという話も伝わって来ている。

ただし、クレーム対策の為、弁護士はついている様なので(私の在籍時は、クレーマーの利用者家族と告訴のなる案件を二件抱えていた)このテキストを読んで、法的手段に出て来たら、こちらも徹底してやってやるつもりだ。

老人ホームは、密室性が高い施設であるが、こう言った施設が公然と営業を続けていることが、世間にまかり通ってよいものなのだろうか。