伝説のロックバンドBOOWY再考④ | 時事問題・芸能・スポーツをGENG_TOCK(aka孔哲)が語る。テーマ別をクリック‼︎

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BOOWYが三枚目のアルバム『BOØWY』でブレイクし、ラストアルバムの『PSYCHOPATH』を発表して解散するまで、アルバム間の三回のインターバルは、いずれも一年未満である。その間およそ二年三ヶ月。まさに失踪した感がある。

ロックバンドで、人気最盛期に解散したバンドは、世界を見渡しても意外と少ない。米英のバンドなどは、音楽をビジネスと捉える考え方が強く、音楽的にとっくに限界でメンバーチェンジを繰り返しているのに、ブランドとしてのバンド名を十年二十年と使い続けていることは珍しくない。もちろん、日本で名を知られている海外のバンドは、セールスが世界規模であり、日本のバンドとは収益の桁が違うという事情もあるだろう。

ともかく、BOOWYは短期間でセールスと知名度で国内ナンバーワン・バンドとなり、その最盛期に潔く解散した。ファンは熱烈に別れを惜しみ、メディアは解散を大きく報じ解散理由を詮索した。そして、アンチを含めBOOWYを知る者の多くが解散理由を知りたがった。

それが、山下久美子が絡んだ布袋と氷室の不仲にあることは周知のことである。メンバーが語るところの一番になったら止めるという方針は、活動過程にメンバーの意識にあったかもしれないが、最終的な解散理由ではない。

そうなると、五枚目のアルバム『BEAT EMOTION』がヒットチャート一位を取るべく制作を開始し、ラストアルバムとなる予定だったという話も、アルバム発売後に初めて解散という問題が起こり、それが決定するまで、かなりの期間を要したことから考え矛盾がある。


実は私は、直接BOOWYのメンバーから解散理由を聞いた人の証言をリアルタイムで聞いている。解散が公になる数ヶ月前であったはずだ。雑誌等のメディアが噂の域を出ていない記事を掲載するよりも前であった。およそ、35年前の話なので、ハッキリした日時が分からないことはご容赦願いたい。

当時私は、簡素なタウン誌を発行している会社に勤めていた。従業員は社長以下六、七人の小さな事務所だった。スタッフのなかに20才くらいの女性のグラフィックデザイナーがいた。当時の日本のバンドでは、「筋肉少女帯がよい」なんて言っている、なかなか感覚の跳んでいる人だった。

まず彼女は、私との会話でBOOWYの名が出ると直ぐに「解散しちゃうよ」と言った。その時点からどのくらい前の話か分からないが、BOOWYのメンバーの松井氏の自宅へ、同じ年くらいの男女数人で遊びに行ったことがあるという。彼女は「布袋が山下久美子にいい曲ばかりあげて、BOOWYの方はおミソばかりで、氷室が怒っちゃったんだって」と続けた。

私は、その話を聞いても何故か驚かなかった。だが、彼女を気に入っていた私は、その話題を続けた。そして、彼女はその時のエピソードを二つ話してくれた。一つは、一緒に松井氏を訪ねたグループは、全員がBOOWYのファンだった訳でなく、一人の女性がストリートスライダーズのファンで、スライダーズが写された雑誌のグラビアを欲しがったら、松井氏がムッとしていという話。もう一つは『BOOWY VIDEO』の撮影に使われた、サイボーグ009の戦闘服の様なオレンジ色の衣装を欲しがった女性に、松井氏が気前よく上げてしまったという話である。

彼女が私に話してくれたことが事実であることは実証できない。しかし、私の知りうる限り彼女はそんな話を作る人には、とても思えなかった。また、彼女と私の会話は、解散公表よりもその噂が出るよりも前であったことは、はっきり記憶している。


果たして、以前の私の会社の同僚の証言は事実かどうか。それを実証することは不可能である。彼女と連絡をとることも、BOOWYの元メンバーから証言を得ることも出来ない。仮に出来たとしても、各人が真実を語ることないだろうし、同じ出来事を共有していても捉え方は別々であろう。

そこで、布袋が山下久美子を優先して、BOOWYには残った曲を提供していたかどうか、その時期のアルバムの曲の出来を比較して考察したい。

布袋が山下久美子のアルバムの楽曲を全面的に提供した頃と作曲した時期が重なっているBOOWYのアルバムは、『BEAT EMOTION』と『PSYCHOPATH』に収められた曲と思われる。『BEAT EMOTION』自体は、BOOWYの作品の中で、私の最も好きなアルバムで、バンドの意向でもあったが、シンプルなロックンロール集であり、BOOWYの作品中、最もリアリティーを感じさせてくれる。しかし、同時期に発売された山下久美子のアルバムの曲の方が、タイプが違えどグレードが上と感じるし、やたらポップでセールス度が高い。山下久美子に布袋が書いた曲は、氷室に合わないという意見もあるが、決してそんなことはない。氷室もBOOWY時代から、メルヘンチックな曲を歌っているし、山下の曲の歌詞の人称を男に変えるか、氷室が歌詞を書けばBOOWYの曲として違和感はないはずだ。

『PSYCHOPATH』の方はさらに分かりやすい。サウンドは素晴らしいと思う。歌詞もレベルを保っている。しかし、メロディーがあまりに弱い。

そして、はっきり言えることは、その時代の山下久美子のアルバム数枚は、アルバム中の全曲がシングルカット出来ると思えるほど、素晴らしい作品なのだ。


楽曲の比較で、私が聞いたBOOWYの解散説を実証するのは前述の通り不可能である。この説は、あくまで都市伝説の域を出ない。信じるか信じないかは、あなた次第ですというところに落ち着く。



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