セルマ『かんそ~よ~!』
こいつは面白い!
この映画は結構有名なんだけど、見てなかったんだよなぁ~!
なんか、ミュージカルっていうイメージがあって、僕はミュージカルが好きじゃないんで
ていうか、嫌いなんで!
でも、どっかのレビューで『どん底まで気持ちを落としてくれる悲しい作品』と紹介されていたので、見てみることにしました!
好きなんだよねぇ、どん底まで落とされるの!
(注意・僕はMではありません!)
んで、見た結果、コイツは面白いっ!
まず、驚いたのが、物語のほとんどを手持ちカメラで撮っていたっていうこと!
手持ちカメラだから画面が揺れたりしていて、とても臨場感がある映像になっていて、ドキュメンタリー作品を見ているようでした!
舞台であるセルマの家や工場なんかも小汚くて(←失礼)、生活感があって、そんなリアルな雰囲気が素晴らしかったですね!
そんなカンジで、好印象から始まった『ダンサー・イン・ザ・ダーク』だけど、ストーリーが進むにつれ、その内容がドス黒くなって行くんです!
主人公のセルマは、とっても純粋な性格の持ち主なんだけど、そのピュア人セルマを残虐無残な世間の厳しさが襲うんです!
そのドス黒さったらなくて、観客の心をエグるように落ち込ませるのです!
セルマを、これでもかってくらいに、どん底まで落とすストーリーなのです!
でも、ドス黒いストーリーが大好物の僕としては、チョ~ナイスなストーリーだったんです!
(注意・僕はSではありません!)
んで、そんなドス黒く、真っ暗な世界で、たった一つ光り輝く主人公セルマ!
そのセルマの心理シーンになると、ミュージカルに切り替わるっていう手法が絶妙な効果を出しています!
ナイス・アイデアです!
素晴らしいです!
どのシーンもセルマの内面、つまり不安や力強さをよく描けていました!
そのミュージカルシーンの中でも、この映画の名シーンとなっているのが、『I've Seen It All』(私は全てを見てきた)のシーンです!
↓『I've Seen It All』のシーン
このシーンがこの映画で最も素晴らしいシーンだったと思います!
というか、この歌そのものがこの映画と言っても良いと思います!
セルマの『私にはとても大切なものがある』というような歌なんだけど、ストーリーを知っていると、その歌の意味がズシ~ンと観客の心に突き刺さるのです!
その歌の意味は実際に作品をご覧になって感じてください!
何かがズシ~ンと突き刺さること間違いなしです!
(しかも、列車の線路の音がメロディになっているというアイデアがめっちゃくちゃスーパー素晴らしいっす!)
んで、ちなみにこの『I've Seen It All』なんだけど、映画の中では主演のビョークとピーター・ストーメアがデュエットで歌っていて、アカデミー歌曲賞やゴールデングローブ賞 主題歌賞にノミネートされました
(ビョークとピーター・ストーメア)
んだけども、この映画の音楽も担当したビョーク(ちなみにアイスランドの歌姫として世界的に有名なんだよ!)が発売したサウンドトラック『Selmasongs: Music from the Motion Picture Soundtrack Dancer in the Dark』(セルマソングス~ミュージック・フロム・ダンサー・イン・ザ・ダーク)では、
(↑そのCDジャケット。セルマの弱い視力が表現されたジャケットがナイスっす!)
なんと、オルタナティブ・ロックバンド『レディオヘッド』のトム・ヨークとのデュエットバージョンが収録されています!
ほんげぇ~、すげぇなぁ!
トム・ヨークって言ったら、とっても偉大なミュージシャンとされていて、とってもキレイな曲を作るイメージがあるんで、とっても期待できるぜ!
んで、そのトムさんとのデュエットバージョンは、たぶん、コチラ↓
『Björk ft. Thom Yorke - I've seen it all』
んで、他にも何カ所かミュージカルになるシーンがあるんだけど、やっぱり印象的なのは衝撃的なラストだね!
この最後のシーンは、かなり衝撃的で、女性とか見たらトラウマになるんじゃないのかなと思うくらい衝撃的でしたね!
とは言っても、『僕のブログを読んで、この作品を見たらトラウマになりました!』っていうのはやめてチョンマゲ!
自己責任で見てください!
んで、そうそう!
そのラストの『最後から2番目の歌』のシーンがとっても切なくてねぇ、悲しいんだよ~!
でも、この『最後から2番目の歌』は希望の歌なんです!
辛くて、悲しくて、切なかったセルマの作品が希望の歌で終わるわけです!
壮絶なラストはセルマにとっては希望に満ちあふれていたんだと思います!
まぁ、とにかく、刺激的であり、壮絶であり、美しくもあるラストをご覧ください!
んで、主役のビョークですが、革新的な音楽を制作する、政治的な意思が強いシンガーなんだけど、この『ダンサー・~』では、純粋なセルマを完璧に演じていましたね!
シンガーとしてのビョークしか知らなかったけど、俳優顔負けの素晴らしい演技でした!
あと、シンガーなんで歌が上手いのは当たり前なんだけど、それでも、ビョークのミュージカル・シーンは素晴らしかったです!
透きとおる歌声と豊かな表情の演技がね!
歌だけではなく演技力でも魅了する、ビョークというアーティストの才能の高さを思い知る作品になっています!
んで、あと、いろんな作品で見る、この人は↓
デヴィッド・モースって人なんだけど、相変わらず素晴らしい脇役っぷりで、文句がない!
んで、重要なキャラクターであるこの人は↓
どっかで見たことあるんだよなぁと思っていたら、あの人でした!
傑作スリラー『ファーゴ』の怖い人!
名前はピーター・ストーメアだそうです!
『ダンサー・~』では、ヤサ男役だったので、全然イメージが違ったんだけど、良い演技をしてらっしゃいました!
そんな彼らにも注目です!
(↑お次は監督のラース・フォン・トリアーさん)
んで、この『ダンサー~』が面白かったんで監督の名を見ると、ラース・フォン・トリアーっていう人で、彼は過激な作品を撮ったり、独創的な撮影方法を使うらしいよ!
そういえば、彼の監督作品で過激な内容の『奇跡の海』と、
セットは地面に白い線や文字を書いただけという『ドッグヴィル』
を見たことがあるんだけど、あんまり、覚えてねぇや!
このラースっていう監督はとても刺激的で実験的なことをする、面白い監督なんで、これらの作品も今度見直してみるか!
と、思うところであります!
(『ダンサー~』は第53回カンヌ国際映画祭では最高賞であるパルム・ドールを受賞し、ビョークは主演女優賞を獲得したんです!)
つ~ことで、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』でした~!
ミュージカル作品ってことで見てなかったんだけど、ミュージカル・シーンは少なくて、ミュージカル作品ってカンジがしないし、内容は僕好みのとってもシリアスで苦しいストーリーでした!
さらに、ビョークの歌声と演技、そしてリアルなストーリーの中で輝く感動的なシーンが胸を打つ傑作です!
ぜひ、ラストに注意して、ご覧くださいね!
そいじゃあ、さよならです!
ばいば~い!
おしまい。
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