リングの中田秀夫監督作品。
久々に初代の監督が撮るってことで、期待1割、駄作9割かなくらいに思っていたが。
予想の斜め下をいく出来映えで、なにより恐くない。恐そうな雰囲気はあるんだが恐くない。
音楽、映像、役者の芝居で恐怖をかき立てる演出をしているのに恐くない。

この作品は、リング~リング2の時間軸の続編になっている。(多分)ライザップで話題になった佐藤仁美が倉橋役として出演したのも懐かしさを感じた。

そもそもの発端の呪いのビデオは出てこない。
なぜ、貞子である必要があったのか。
ネット時代の新しい貞子という触れ込みであったけど、その要素が主人公の弟がYouTuberで、ある親子の放火現場をネットにアップした部分のみ。
ネットに詳しくないおじさん達が精一杯若者に寄せてみましたといった感じ。

呪いのビデオの話が都市伝説にもなってない所に違和感がある。ということは、誰かが自分の死と引き替えに、呪いの連鎖を断ち切ったと考えるしかない。
一応、ビデオを見た人間は、一週間後に呪殺される設定だったけど、今回は撮ったら死ぬって予告では言ってたけど、撮ってなくても死ぬ。

スラッシャームービーの殺人鬼みたいに規則性も法則もない。ただ後味の悪いエンディングにしたほうが恐いよっていうフォーマットに従いましたという感じ。

1時間50分しかない映画で1時間近く話があまり進まずダラダラと前振りを見せられるのは辛かった。貞子が出てきて人を殺したりするシーンの方がテンポ良かった。
じゃあ、本編もそのテンポでやりなさいよと。

現代風のホラー演出のつもりか、とにかく貞子の動きが早く、人間にしか見えなかった。
殺人鬼ならそれでいいけど、貞子は違うでしょ。
殺し方も、呪怨の伽揶子みたいにどこかに引きずっていくしね。

まだ、貞子VS伽揶子の方が恐かった。

謎を謎のまま放置されるのも辛い。
観客に考察して下さいっていうのも違う気がする。考察する材料が不足している。
整合性のない、または齟齬があるから、そのアンバランスさが恐いというなら、今回それは違うと思う。
ホラーのアンバランスさは、理不尽さと言ってもいい、謎を解決してすべてがわかっても、どうしようもない事態、もしくは思い込みで真実は違っていたという部分だと思う。

曲はいいんだけど、女王蜂のエンディング曲も作品と合ってないし。

名作は佳作にまで堕ちた。

中学生や高校生が友達とワイワイ言いながら見たり、デートで見る分には丁度いい感じかな。