淳さんの半生と癌終末期で入院されていたお母様の終活と別れのことなどを綴った物語でした
幼少期から田村亮さんとの出会いまでのお話は、同世代なので少し懐かしくもあり、ほほえましくもありました
亮さんとの出会いってこうだったんだ!と初めて知ったし、淳さんてやっぱり真面目な人だったんだなあと感じたり
こういうことあったな、テレビで見たなあという場面もありました
だから読了後にテレビで淳さんを見たらものすごく親しみを感じましたし、もっと応援したくなりました
話はお母様のことにうつりますね
お母様は、元看護士で常に命と向き合ってこられたので、延命治療はせずに死を潔く受け止める覚悟をされたそうです。
その思いを受け止めるまでの家族の葛藤、迷いがリアルに感じ取れ、読みながら心が大きく揺れました
淳さんは、お母様の病気をきっかけに、慶應義塾大学のメディアデザイン研究科で遺書の新たな概念について研究し、2019年に日本初の遺書動画サービス「ITAKOTO(イタコト)」を始めました
残された人に「言いたかったこと」、「この世にいたこと」が名前の由来だそうです
そのことや遺書についても書かれていましたが、遺された人への伝言や手紙として、自己の振り返りとしてかけるときに書いていくのもいいなと思いました
いくらでも修正はできるので、気負わずにぼちぼちと。
家族のいない親族の急死で葬儀を出し、遺品整理などをしたことがあるので混乱を避けるためにもいいようにも思えます。
私自身は人生の半分は過ぎたし、持病もあるしで老後や死に不安を感じていました
でも、この本を読んで、死後のことをあれこれ考えるのではなく、どう生き切るか、残りの充実を充実させるべきなんだなあと思えました
家族や友達など大切な人と過ごす時間も有限なので大切にしなくては
巻末付録として、遺書の新しい概念をテーマとした大学院の修士論文が掲載されています
読みごたえがあり、分かりやすく勉強にもなりました。
御忙しい中、データを集めたりしながら一生懸命書き上げたと思いますので何度も読ませてもらおうと思います
淳さんは以前、赤い髪だったのでチャラいイメージがあって、読むのは抵抗がある方もいるかもしれません
特に年配の方などはそうかもしれませんね。
でも誰もが通る道がテーマですし、読んでみる価値はあると思います
難しい内容ではありませんが、学術的な要素もあり、参考になることも多いのでたくさんの人に読んでもらいたいですね