「かわいい子には旅させよ」
日経ビジネス2010.4.5の記事で、「今こそ『かわいい子には旅』」という記事が掲載されていました(p.112)。元東京大学工学部長であり現在は海陽中等教育学校 校長である中島尚正氏による投稿です。
この記事は「かわいい子には旅をさせよ」という言葉を、新入生・新入社員を迎えるこの季節に考えてみる、というものです。内容を簡単にまとめておくと、同氏は旅の効用とは異質なものと交わることだとする一方で、若者が同質な人ばかり付き合ったり、留学を希望する学生が減っているなど、若者が目の前のもので満足する傾向にある状況から、このままではリーダーが育たなくなるのではないか、と懸念を示しています。
そこで、今回の記事では「かわいい子には旅をさせよ」という言葉について少し考えてみたいと思います。
なぜ旅をさせるかの理由は、上記の通り異質なものと交わることで様々な体験ができる、それが成長を促すのだと思います。では異質なものとは何か、それは、(1)異なる文化、(2)異なる人、(3)異なる環境、だと思います。これらの非日常的な体験を強制的に経験することであえて厳しい状況に身を置く。そうすることで、強くたくましくなるのだと思います。
「かわいい子には旅させよ」については、自分自身にも言えることだと思っています。また、異質なものとの交わりは、何も旅だけから体験できるものではありません。例えば仕事においても、ちょっとした意識するかどうか、また自らそのような状況に飛び込むかどうかだと思います。ちょうど年度が変わりましたが、この気持ちはこれからも持ち続けていきたいです。
もう一つ、厳しい状況になった場合にどう考え、行動するか。これもその状況にどう向き合うかで、そこから得られるものに大きな差がつくように思います。では、どういった意識で望むか。自分に言い聞かすためにも、以下の3つを念頭に置いておきたいです。
・ 主体的に行動する
・ チャレンジ (失敗を恐れない)
・ 本質を捉える
ちなみにこの3つは、うちの会社のコンピテンシーの中にもあるものですが、今後も意識し行動に移したいものです。
この記事は「かわいい子には旅をさせよ」という言葉を、新入生・新入社員を迎えるこの季節に考えてみる、というものです。内容を簡単にまとめておくと、同氏は旅の効用とは異質なものと交わることだとする一方で、若者が同質な人ばかり付き合ったり、留学を希望する学生が減っているなど、若者が目の前のもので満足する傾向にある状況から、このままではリーダーが育たなくなるのではないか、と懸念を示しています。
そこで、今回の記事では「かわいい子には旅をさせよ」という言葉について少し考えてみたいと思います。
なぜ旅をさせるかの理由は、上記の通り異質なものと交わることで様々な体験ができる、それが成長を促すのだと思います。では異質なものとは何か、それは、(1)異なる文化、(2)異なる人、(3)異なる環境、だと思います。これらの非日常的な体験を強制的に経験することであえて厳しい状況に身を置く。そうすることで、強くたくましくなるのだと思います。
「かわいい子には旅させよ」については、自分自身にも言えることだと思っています。また、異質なものとの交わりは、何も旅だけから体験できるものではありません。例えば仕事においても、ちょっとした意識するかどうか、また自らそのような状況に飛び込むかどうかだと思います。ちょうど年度が変わりましたが、この気持ちはこれからも持ち続けていきたいです。
もう一つ、厳しい状況になった場合にどう考え、行動するか。これもその状況にどう向き合うかで、そこから得られるものに大きな差がつくように思います。では、どういった意識で望むか。自分に言い聞かすためにも、以下の3つを念頭に置いておきたいです。
・ 主体的に行動する
・ チャレンジ (失敗を恐れない)
・ 本質を捉える
ちなみにこの3つは、うちの会社のコンピテンシーの中にもあるものですが、今後も意識し行動に移したいものです。
日経電子版 (大きな可能性)
前回の記事のポイントは日経電子版の戦略設定および価格設定に問題あり、という内容でした。そこで今回は、思考を発散させてみるために、Web版の新聞の可能性について考えてみます。
先に結論から述べると、新聞のWeb化には大きな可能性があるのではないか、ということです。
前回の記事の最後で、日経が電子版の提供をしたこと自体には評価していると記しました。なぜそう考えたかというと、次の2点からです。
(1) 既存の無料Webニュースモデルを有料モデルとした
(2) Web版新聞は可能性がある
■ 無料から有料モデルへ
Web版の新聞を無料から有料としたことは、書籍「フリー」(クリス・アンダーソン著)で紹介されているフリーモデルのうち、「三者間市場」と「フリーミアム」から説明ができます。
つまり、これまでのWeb配信が広告をつけることで成り立っていたモデル(三者間市場)から、日経電子版の一部の有料会員からの支払いで成り立たせようというモデル(フリーミアム)への転換です。もちろん、日経電子版にも広告掲載があり、正確には「三者間市場+フリーミアム」というビジネスモデル転換になります。
■ Web版は顧客情報の宝庫
次に、Web版の新聞には大きな可能性があるのではないか、という点です。この「大きな可能性」を説明する前に、まずはWeb版と紙版との違いから整理したいと思います。
違いを一言で表現すると、「顧客の顔がわかる」ことです。顧客の顔とはすなわち、読者の属性情報がデータベース化でき、さらにどんどん蓄積できるということです。具体的に読者属性にはどんな情報があるかをてっとり早く考えるために、5W1Hの5Wから整理してみます。なお、データベースの情報元は登録情報や、記事アクセスログです(ログが取得できることが前提ですが)。
○ Who
読者がどういう人か。この基本情報は、有料or無料会員になる際の登録情報からわかります。実際に登録しましたが、性別・年齢や住所以外にも、(任意ですが)職業や年収、興味のある情報を登録するなど、これだけでもその人の基本属性がデータ化されます。
○ When
読者がいつその記事を読んだか。読者はそれぞれIDが割り当てられますが、IDごとのアクセスログを見れば把握できます。朝の出社前、昼休みの時間帯、夕方、夜など、ログさえ解析できれば一発でわかります。
○ Where
どこにいる時に記事が読まれたか。モバイルでアクセスされた場合、(現在はできなくても)GPSを使えばどこからアクセスをしているかがわかります。PCでも公共の無線LANであれば特定できそうですし、IPアドレスからも把握できてしまうのかもしれません(ここはあまり詳しくないので推測ですが)。
○ What
どの記事が読まれたか。これもアクセスで簡単にわかります。実際に日経では「My日経」というコンテンツがあり、ここで言うWhatとWhoのデータからその人に最適な記事を抽出していると思われます。
○ Why
なぜその記事を読んだか。現在の技術だと意識データのデータ化までは難しいかもしれません。仮にやるとしても、記事がアクセスされた後に付帯質問として「なぜ読んだか」を簡単な選択肢から選んでもらうことも考えられますが、読者と新聞社側の双方に手間がかかるため、現実的ではありません。ただ将来的に、意識データまで読者には無意識的に取得できれば、データとしてはおもしろいと思います。
以上、5Wから整理しましたが、これらのデータが継続的に蓄積される結果、読者の詳細な属性がデータベース化されます。これが今までの紙版にはない大きな違いで、電子版の強みになるはずです。
■ 顧客情報の価値
では、このように「顧客(消費者)の顔がわかる」とどんな可能性が期待できるのでしょうか。最も恩恵を受けそうなのは、広告だと思います。一言で表現すると、「記事連動型のOneToOneマーケティング広告」です。もちろん、紙版にも紙面やチラシによる広告は存在します。しかし、新聞社側には読者の属性があまり把握できないために、その広告効果も限定されているのが現状ではないでしょうか。もちろん日経であれば、ビジネスマンをターゲットとした広告展開が考えられますが、一口にビジネスマンと言ってもその趣向は千差万別です。
そこで、電子版の詳細な読者属性データベースです。上記のような5Wレベルまで把握できていれば、いわゆるOneToOneマーケティングの展開が期待できます。文字通り一人一人にあった広告が自動でカスタマイズできるはずです。例えば同じ年齢でも住む場所や職業、年収などの組み合わせの数だけ、広告パターンができそうです。
さらにWebのいい点は、クリック数など広告効果測定もできるので、読者にささったかどうかも把握できることです。
■ Web版の大きな可能性
さて、ここまで主に日経電子版を想定してきましたが、読者属性のデータベース化が実現できれば他紙にも十分可能性があるように思います。なぜかというと、日経はその名の通り経済ニュースのウェイトが高く、記事連動型の広告を打つにしてもその範囲が限定されてしまうかもしれません。その一方で、朝日や読売などの一般紙であれば記事の話題は幅広く、スポーツ紙であればスポーツや芸能情報が充実しているため、記事に連動した広告も、日経とは違った内容で掲載できそうです。(つまり日経電子版広告とは差別化できる)
例えばですが、「今年はおいしい秋刀魚が獲れそうだ」みたいな記事を読みなんとなく食べたくなった時に、そのすぐ横に「○○で獲れたおいしい秋刀魚」とかの通販広告が目に入り、かつ朝の間にクリックすれば当日届くみたいなサービスであれば、自分だったら迷わず注文してしまいそうです。このへんは、楽天あたりとコラボすればノウハウもありそうで、いろんな工夫ができそうです。
まだまだ色々考えられてきりがないですが、要は何が言いたいかというと、新聞をWeb化することで時々刻々と読者情報、つまり広告主にとっての消費者情報が集まり、その属性への連動性の高い広告が打てる、ひいてはここ最近減少傾向にある新聞広告も拡大する可能性があるのでは、ということです。
逆に考えれば、広告費により無料でWeb配信が引き続きできるかもしれません。ただし、その場合は、無料会員登録と称して属性登録が必要&ログ解析の同意を取られそうですが(タダより高いものはない)。
そんなわけで、冒頭で述べた通り、新聞のWeb化も情報の活用次第では、日経だけでなく他紙にも大いに可能性があると思ってしまい、今後の展開に注目しています。
先に結論から述べると、新聞のWeb化には大きな可能性があるのではないか、ということです。
前回の記事の最後で、日経が電子版の提供をしたこと自体には評価していると記しました。なぜそう考えたかというと、次の2点からです。
(1) 既存の無料Webニュースモデルを有料モデルとした
(2) Web版新聞は可能性がある
■ 無料から有料モデルへ
Web版の新聞を無料から有料としたことは、書籍「フリー」(クリス・アンダーソン著)で紹介されているフリーモデルのうち、「三者間市場」と「フリーミアム」から説明ができます。
つまり、これまでのWeb配信が広告をつけることで成り立っていたモデル(三者間市場)から、日経電子版の一部の有料会員からの支払いで成り立たせようというモデル(フリーミアム)への転換です。もちろん、日経電子版にも広告掲載があり、正確には「三者間市場+フリーミアム」というビジネスモデル転換になります。
■ Web版は顧客情報の宝庫
次に、Web版の新聞には大きな可能性があるのではないか、という点です。この「大きな可能性」を説明する前に、まずはWeb版と紙版との違いから整理したいと思います。
違いを一言で表現すると、「顧客の顔がわかる」ことです。顧客の顔とはすなわち、読者の属性情報がデータベース化でき、さらにどんどん蓄積できるということです。具体的に読者属性にはどんな情報があるかをてっとり早く考えるために、5W1Hの5Wから整理してみます。なお、データベースの情報元は登録情報や、記事アクセスログです(ログが取得できることが前提ですが)。
○ Who
読者がどういう人か。この基本情報は、有料or無料会員になる際の登録情報からわかります。実際に登録しましたが、性別・年齢や住所以外にも、(任意ですが)職業や年収、興味のある情報を登録するなど、これだけでもその人の基本属性がデータ化されます。
○ When
読者がいつその記事を読んだか。読者はそれぞれIDが割り当てられますが、IDごとのアクセスログを見れば把握できます。朝の出社前、昼休みの時間帯、夕方、夜など、ログさえ解析できれば一発でわかります。
○ Where
どこにいる時に記事が読まれたか。モバイルでアクセスされた場合、(現在はできなくても)GPSを使えばどこからアクセスをしているかがわかります。PCでも公共の無線LANであれば特定できそうですし、IPアドレスからも把握できてしまうのかもしれません(ここはあまり詳しくないので推測ですが)。
○ What
どの記事が読まれたか。これもアクセスで簡単にわかります。実際に日経では「My日経」というコンテンツがあり、ここで言うWhatとWhoのデータからその人に最適な記事を抽出していると思われます。
○ Why
なぜその記事を読んだか。現在の技術だと意識データのデータ化までは難しいかもしれません。仮にやるとしても、記事がアクセスされた後に付帯質問として「なぜ読んだか」を簡単な選択肢から選んでもらうことも考えられますが、読者と新聞社側の双方に手間がかかるため、現実的ではありません。ただ将来的に、意識データまで読者には無意識的に取得できれば、データとしてはおもしろいと思います。
以上、5Wから整理しましたが、これらのデータが継続的に蓄積される結果、読者の詳細な属性がデータベース化されます。これが今までの紙版にはない大きな違いで、電子版の強みになるはずです。
■ 顧客情報の価値
では、このように「顧客(消費者)の顔がわかる」とどんな可能性が期待できるのでしょうか。最も恩恵を受けそうなのは、広告だと思います。一言で表現すると、「記事連動型のOneToOneマーケティング広告」です。もちろん、紙版にも紙面やチラシによる広告は存在します。しかし、新聞社側には読者の属性があまり把握できないために、その広告効果も限定されているのが現状ではないでしょうか。もちろん日経であれば、ビジネスマンをターゲットとした広告展開が考えられますが、一口にビジネスマンと言ってもその趣向は千差万別です。
そこで、電子版の詳細な読者属性データベースです。上記のような5Wレベルまで把握できていれば、いわゆるOneToOneマーケティングの展開が期待できます。文字通り一人一人にあった広告が自動でカスタマイズできるはずです。例えば同じ年齢でも住む場所や職業、年収などの組み合わせの数だけ、広告パターンができそうです。
さらにWebのいい点は、クリック数など広告効果測定もできるので、読者にささったかどうかも把握できることです。
■ Web版の大きな可能性
さて、ここまで主に日経電子版を想定してきましたが、読者属性のデータベース化が実現できれば他紙にも十分可能性があるように思います。なぜかというと、日経はその名の通り経済ニュースのウェイトが高く、記事連動型の広告を打つにしてもその範囲が限定されてしまうかもしれません。その一方で、朝日や読売などの一般紙であれば記事の話題は幅広く、スポーツ紙であればスポーツや芸能情報が充実しているため、記事に連動した広告も、日経とは違った内容で掲載できそうです。(つまり日経電子版広告とは差別化できる)
例えばですが、「今年はおいしい秋刀魚が獲れそうだ」みたいな記事を読みなんとなく食べたくなった時に、そのすぐ横に「○○で獲れたおいしい秋刀魚」とかの通販広告が目に入り、かつ朝の間にクリックすれば当日届くみたいなサービスであれば、自分だったら迷わず注文してしまいそうです。このへんは、楽天あたりとコラボすればノウハウもありそうで、いろんな工夫ができそうです。
まだまだ色々考えられてきりがないですが、要は何が言いたいかというと、新聞をWeb化することで時々刻々と読者情報、つまり広告主にとっての消費者情報が集まり、その属性への連動性の高い広告が打てる、ひいてはここ最近減少傾向にある新聞広告も拡大する可能性があるのでは、ということです。
逆に考えれば、広告費により無料でWeb配信が引き続きできるかもしれません。ただし、その場合は、無料会員登録と称して属性登録が必要&ログ解析の同意を取られそうですが(タダより高いものはない)。
そんなわけで、冒頭で述べた通り、新聞のWeb化も情報の活用次第では、日経だけでなく他紙にも大いに可能性があると思ってしまい、今後の展開に注目しています。
日経電子版 (評価と課題)
日経新聞が10年3月23日より、電子版をスタートさせました。これまではNIKKEI NETにより記事の配信がされていましたが、今後は無料・有料コンテンツを組み合わせた本格的なネット新聞としての事業となります。
まず料金プランから確認すると、以下のような4種類のプランが設定されています(表1)。この価格設定は、今回の記事のポイントでもあります。

電子版開始当初は、無料登録で様子を見ていました。ですが、無料版だと見られる記事やコンテンツに制限があるため、電子版の評価が難しいと判断し、実際に自分の目で確かめるために有料登録をしてみました。(注 4月30日までは創刊記念キャンペーンで有料会員サービスを無料で利用できるため、実際にはまだお金は支払っていない)
そこで、日経電子版を見てみて、現時点での評価を以下の観点から整理してみます。
・ 電子版の印象
・ 見えてきた問題点
・ 問題点詳細 (2つ)
■ 電子版の印象
無料登録の時点でざっと見た範囲では、電子版でも紙版と同様の記事が読めそうだという印象でした。ただ、紙版にはあるが無料登録では見られないもののうち、次の3つが有料登録でどうなるかが気になっていました。具体的には、「私の履歴書」、「経済教室」、「景気指標(月曜朝刊のみ)」の3つです。
これらのうち、有料版では「私の履歴書」、「経済教室」は紙版と同様の内容が見られることを確認できました(「景気指標」については後述)。また、電子版ならではの機能やコンテンツもいくつかあるようです。(詳細は省略)
■ 見えてきた問題点
一方で問題点もあると思いました。具体的には、以下の通りです。(※については別途詳細を書いています)
○無料版での問題点
・ 右クリックコピーができない(Ctl+Cはできるがいずれできなくなる・・?) ※
・ 無料登録だと過去6か月分の見出し検索しかできない
○機能面での問題点
・ 月曜朝刊の「景気指標」の各種統計データが、紙面ビューアーでしか見られない
(紙面ビューアー:紙面イメージをそのまま表示する)
・ 紙面ビューアーの表示がやや遅く感じる
・ スマートフォンでは紙面ビューアーが利用できない
○価格についての問題点
・ 価格設定 (無料、4000円、5383円/4568円) ※
・ 記事検索は月25回まで無料 (26回目からは1回あたり175円)
・ 人事情報データベース(日経WHO'S WHO)の利用は別途370円
■ 問題点詳細 (右クリック)
ツイッター等でも話題になっていましたが、無料登録の場合、記事内の文章をコピーしたくても右クリックによるコピーができません。なぜなら、右クリックをしても何も表示されないからです(ちなみに、Ctrl+Cからはできますが)。
一方、有料登録の場合は、右クリックからコピーもできますので、こんなところで無料/有料の差を設けているようです。仮にそうだとすると、Ctrl+Cもいずれできない設定となるかもしれません。個人的には、無料登録でもコピーはできてもいいのでは、と思いますが。
■ 問題点詳細 (価格設定および電子版の位置づけ)
次に、価格設定についてです。なぜ問題かというと、価格体系があくまで紙版(3383円/3568円)の延長で設定されているように思うからです。これは、電子版のみの価格が紙版よりも高い4000円に設定されていることがそれを象徴しています。電子版には印刷や配達の経費は発生しなく、普通に考えれば低コストで提供できるはずです。電子版は紙版よりも情報量は多いことは事実ですが、それを考慮しても紙版より高い設定には疑問です。
一方で既存の紙版読者については、+1000円での電子版提供は一見お得なようにも思えます。しかし、紙+電子版で合計5383or4568円という価格を考えると、決して安い価格ではないのではないでしょうか。
目標部数が現在の紙版の300万部に対して30万部であること、また日本経済新聞社・喜多社長の発言である「購読料は、現在の紙の新聞販売に影響を与えない価格体系を模索した」などを考慮すれば、そもそもの同社の電子版の位置づけはあくまで紙版の延長上でしかないという印象です。1つ1つの記事やコンテンツが良くても電子版の戦略がこれでは、Webのメリットを十分に活かしきれないのではと思います。
では、Webによる電子版の新聞媒体のメリットとはどういうものでしょうか。例えば、以下のような点のはずです。
(1) 低コスト運用
(2) モバイル等の各種電子端末での閲覧
(いつでもどこでも、自分に合った端末から読める)
(3) 記事の引用がしやすい
(4) 検索が容易
しかし、現状ではそれぞれにおいて前述した問題点を抱えています。
(1) 価格設定が紙版の延長。電子版ではゼロベースで検討し設定すべき
(2) スマートフォンで紙面ビューアーが利用できない
(3) 無料登録では、文章のコピーをさせない姿勢が見られる
(4) 記事検索で追加料金を取られる場合がある
個人的には、日経の電子版事業をビジネス(有料モデルで)としてスタートさせたこと自体は、評価しています。しかし、電子版の位置づけが紙版の延長という発想ではせっかくの日経の強みが活かされない戦略です。まだ電子版を立ち上げたばかりで様々な課題があるのでしょうが、ベースとなるこの戦略を見直すべきではないかと思っています。
4月末までは有料登録も創刊キャンペーンで無料ですが、5月以降も有料で登録するかはもう少し様子見です。
まず料金プランから確認すると、以下のような4種類のプランが設定されています(表1)。この価格設定は、今回の記事のポイントでもあります。

電子版開始当初は、無料登録で様子を見ていました。ですが、無料版だと見られる記事やコンテンツに制限があるため、電子版の評価が難しいと判断し、実際に自分の目で確かめるために有料登録をしてみました。(注 4月30日までは創刊記念キャンペーンで有料会員サービスを無料で利用できるため、実際にはまだお金は支払っていない)
そこで、日経電子版を見てみて、現時点での評価を以下の観点から整理してみます。
・ 電子版の印象
・ 見えてきた問題点
・ 問題点詳細 (2つ)
■ 電子版の印象
無料登録の時点でざっと見た範囲では、電子版でも紙版と同様の記事が読めそうだという印象でした。ただ、紙版にはあるが無料登録では見られないもののうち、次の3つが有料登録でどうなるかが気になっていました。具体的には、「私の履歴書」、「経済教室」、「景気指標(月曜朝刊のみ)」の3つです。
これらのうち、有料版では「私の履歴書」、「経済教室」は紙版と同様の内容が見られることを確認できました(「景気指標」については後述)。また、電子版ならではの機能やコンテンツもいくつかあるようです。(詳細は省略)
■ 見えてきた問題点
一方で問題点もあると思いました。具体的には、以下の通りです。(※については別途詳細を書いています)
○無料版での問題点
・ 右クリックコピーができない(Ctl+Cはできるがいずれできなくなる・・?) ※
・ 無料登録だと過去6か月分の見出し検索しかできない
○機能面での問題点
・ 月曜朝刊の「景気指標」の各種統計データが、紙面ビューアーでしか見られない
(紙面ビューアー:紙面イメージをそのまま表示する)
・ 紙面ビューアーの表示がやや遅く感じる
・ スマートフォンでは紙面ビューアーが利用できない
○価格についての問題点
・ 価格設定 (無料、4000円、5383円/4568円) ※
・ 記事検索は月25回まで無料 (26回目からは1回あたり175円)
・ 人事情報データベース(日経WHO'S WHO)の利用は別途370円
■ 問題点詳細 (右クリック)
ツイッター等でも話題になっていましたが、無料登録の場合、記事内の文章をコピーしたくても右クリックによるコピーができません。なぜなら、右クリックをしても何も表示されないからです(ちなみに、Ctrl+Cからはできますが)。
一方、有料登録の場合は、右クリックからコピーもできますので、こんなところで無料/有料の差を設けているようです。仮にそうだとすると、Ctrl+Cもいずれできない設定となるかもしれません。個人的には、無料登録でもコピーはできてもいいのでは、と思いますが。
■ 問題点詳細 (価格設定および電子版の位置づけ)
次に、価格設定についてです。なぜ問題かというと、価格体系があくまで紙版(3383円/3568円)の延長で設定されているように思うからです。これは、電子版のみの価格が紙版よりも高い4000円に設定されていることがそれを象徴しています。電子版には印刷や配達の経費は発生しなく、普通に考えれば低コストで提供できるはずです。電子版は紙版よりも情報量は多いことは事実ですが、それを考慮しても紙版より高い設定には疑問です。
一方で既存の紙版読者については、+1000円での電子版提供は一見お得なようにも思えます。しかし、紙+電子版で合計5383or4568円という価格を考えると、決して安い価格ではないのではないでしょうか。
目標部数が現在の紙版の300万部に対して30万部であること、また日本経済新聞社・喜多社長の発言である「購読料は、現在の紙の新聞販売に影響を与えない価格体系を模索した」などを考慮すれば、そもそもの同社の電子版の位置づけはあくまで紙版の延長上でしかないという印象です。1つ1つの記事やコンテンツが良くても電子版の戦略がこれでは、Webのメリットを十分に活かしきれないのではと思います。
では、Webによる電子版の新聞媒体のメリットとはどういうものでしょうか。例えば、以下のような点のはずです。
(1) 低コスト運用
(2) モバイル等の各種電子端末での閲覧
(いつでもどこでも、自分に合った端末から読める)
(3) 記事の引用がしやすい
(4) 検索が容易
しかし、現状ではそれぞれにおいて前述した問題点を抱えています。
(1) 価格設定が紙版の延長。電子版ではゼロベースで検討し設定すべき
(2) スマートフォンで紙面ビューアーが利用できない
(3) 無料登録では、文章のコピーをさせない姿勢が見られる
(4) 記事検索で追加料金を取られる場合がある
個人的には、日経の電子版事業をビジネス(有料モデルで)としてスタートさせたこと自体は、評価しています。しかし、電子版の位置づけが紙版の延長という発想ではせっかくの日経の強みが活かされない戦略です。まだ電子版を立ち上げたばかりで様々な課題があるのでしょうが、ベースとなるこの戦略を見直すべきではないかと思っています。
4月末までは有料登録も創刊キャンペーンで無料ですが、5月以降も有料で登録するかはもう少し様子見です。