Netflixのビジネスモデルとユーザーの利便性
アメリカにネットフリックス(Netflix)というDVDレンタル会社があります。日経ビジネス2010.12.20/27号でネットフリックスが取り上げられていました。記事内にあったネットフリックスの2010年度の数字を引用しておきます(いずれも見込数で、2010年よりカナダにも進出)。
・会員数:1900万人
・売上高:21億5000万ドル(約1800億円)
・純利益:1億4600万ドル(約120億円)
■ネットフリックスのビジネスモデル
同社ではDVDレンタルだけでなく、ストリーミングでも利用可能です。ストリーミングというのは動画などの重いファイルを受信しながら再生する技術で、YouTubeなどでも採用されています。ネットフリックスは無店舗経営であり郵送とストリーミングでの提供に特化しています。返却について日本語のWikipediaには、「アパートなどの集合住宅以外は、郵便物は自宅の郵便受けに入れておけば配達員が配達のついでに回収して行くため、返却も容易である。」と記載されています。
料金は全て月定額制で、例えば月額7.99ドルでストリーミングが無制限に、9.99ドルでDVDレンタルとストリーミングで映画が見放題。また、店舗型のDVDレンタルにある延滞料金は存在しません。実はこれ、同社のリード・ヘイスティングス(Reed Hastings)CEOがネットフリックスを創業したきっかけにもつながります。Fortuneの記事には、レンタルした「アポロ13」のビデオの延滞料金が40ドル発生してしまい、この時に感じた理不尽さから郵送で貸し出すビジネスモデルのアイデアを思い付いたエピソードが紹介されています。これは1997年当時のこと。その後1999年に、現在の月定額での料金モデルに変更し一気に人気を博しました(参照:Wikipedia)。
■ネットフリックスの利便性
DVDをレンタルする時に自分でお店に足を運ばなくてよいというのは、アメリカでは日本以上にメリットが大きいように思います。というのは、子どもの頃に少しアメリカに住んでいたことがあるのですが、ニューヨークとかロサンゼルスなどの一部大都市を除けば、アメリカにはすぐ近所にコンビニが、車社会なので最寄の駅にツタヤがあるという日本のような環境ではありません。だからお店へレンタルしに行こうとすると、車で出かけて選んで帰ってくるだけで1時間とかかかってしまうかもしれません。そう考えると、ネットフリックスのように郵送レンタルやストリーミングでの提供に日本以上のユーザーメリットがあるように思います。
ネットフリックスのHPを見てみると、ストリーミングで見られる端末が充実していると感じました。PCで再生できるのはもちろんのこと、ゲーム機では、プレステ3をはじめ、WiiやXbox360にも対応しています。さらには、ソニーやパナソニック、LG、サムスンなどからはネットフリックス内臓のテレビが発売されているようです。ブルーレイプレイヤーにも入っています。モバイルにも対応しており、iPhoneやiPadへはネットフリックスアプリを提供しています。
以上のような、「映画をレンタルするのに出向く必要がない」、「見られる端末が充実していること」はユーザーにとってすごく便利だなと感じます。コンテンツを見たい時に手に入れることができ、見る端末環境の選択肢がある。これって言われれば当たり前のような状況かもしれませんが、日本ではまだまだこのような環境は整っていないのではないでしょうか。ようやくApple TVなどの登場しましたが、映画のレンタルはお店に出向くというスタイルが一般的だと思います。
■見たい時に見たいものを見る
理想を言ってしまえば、映画だけではなくテレビ番組や音楽PVなどあらゆるコンテンツを「見たい時に」「見る環境に合った端末で」見ることができることです。これが実現するためには、対応する端末、ストリーミング配信や課金制度が整ったプラットフォーム、豊富なコンテンツなど、3層それぞれでの整備・充実が不可欠です。最近、Apple TVの販売台数が100万台と突破するという報道がありましたが、ストリーミングでの視聴はますます一般的になるはずです。となれば、日本でもネットフリックスのようなビジネスモデルが普及していくのを期待したいです。
※参考情報
Netflix
http://www.netflix.com/
Netflix|Wikipadia
http://en.wikipedia.org/wiki/Netflix
ネットフリックス|Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9
How Netflix got started|Fortune
http://money.cnn.com/2009/01/27/news/newsmakers/hastings_netflix.fortune/
Netflix対応デバイス
http://www.netflix.com/NetflixReadyDevices?cid=Game+Consoles
Apple TV、今週中に100万台突破の見込み―iTunesのTV、映画ストリーミングの利用も急上昇|TechCrunch
http://jp.techcrunch.com/archives/20101221new-apple-tv-sales-to-top-1-million-this-week-itunes-tv-show-and-movie-rentals-soaring/
Reed Hastings: Leader of the pack|Fortune
http://tech.fortune.cnn.com/2010/11/18/reed-hastings-leader-of-the-pack/
Fortune 2010 Business Person of the Year: Netflix CEO Reed Hastings|WebNewser
http://www.mediabistro.com/webnewser/fortune-2010-business-person-of-the-year-netflix-ceo-reed-hastings_b9689
・会員数:1900万人
・売上高:21億5000万ドル(約1800億円)
・純利益:1億4600万ドル(約120億円)
■ネットフリックスのビジネスモデル
同社ではDVDレンタルだけでなく、ストリーミングでも利用可能です。ストリーミングというのは動画などの重いファイルを受信しながら再生する技術で、YouTubeなどでも採用されています。ネットフリックスは無店舗経営であり郵送とストリーミングでの提供に特化しています。返却について日本語のWikipediaには、「アパートなどの集合住宅以外は、郵便物は自宅の郵便受けに入れておけば配達員が配達のついでに回収して行くため、返却も容易である。」と記載されています。
料金は全て月定額制で、例えば月額7.99ドルでストリーミングが無制限に、9.99ドルでDVDレンタルとストリーミングで映画が見放題。また、店舗型のDVDレンタルにある延滞料金は存在しません。実はこれ、同社のリード・ヘイスティングス(Reed Hastings)CEOがネットフリックスを創業したきっかけにもつながります。Fortuneの記事には、レンタルした「アポロ13」のビデオの延滞料金が40ドル発生してしまい、この時に感じた理不尽さから郵送で貸し出すビジネスモデルのアイデアを思い付いたエピソードが紹介されています。これは1997年当時のこと。その後1999年に、現在の月定額での料金モデルに変更し一気に人気を博しました(参照:Wikipedia)。
■ネットフリックスの利便性
DVDをレンタルする時に自分でお店に足を運ばなくてよいというのは、アメリカでは日本以上にメリットが大きいように思います。というのは、子どもの頃に少しアメリカに住んでいたことがあるのですが、ニューヨークとかロサンゼルスなどの一部大都市を除けば、アメリカにはすぐ近所にコンビニが、車社会なので最寄の駅にツタヤがあるという日本のような環境ではありません。だからお店へレンタルしに行こうとすると、車で出かけて選んで帰ってくるだけで1時間とかかかってしまうかもしれません。そう考えると、ネットフリックスのように郵送レンタルやストリーミングでの提供に日本以上のユーザーメリットがあるように思います。
ネットフリックスのHPを見てみると、ストリーミングで見られる端末が充実していると感じました。PCで再生できるのはもちろんのこと、ゲーム機では、プレステ3をはじめ、WiiやXbox360にも対応しています。さらには、ソニーやパナソニック、LG、サムスンなどからはネットフリックス内臓のテレビが発売されているようです。ブルーレイプレイヤーにも入っています。モバイルにも対応しており、iPhoneやiPadへはネットフリックスアプリを提供しています。
以上のような、「映画をレンタルするのに出向く必要がない」、「見られる端末が充実していること」はユーザーにとってすごく便利だなと感じます。コンテンツを見たい時に手に入れることができ、見る端末環境の選択肢がある。これって言われれば当たり前のような状況かもしれませんが、日本ではまだまだこのような環境は整っていないのではないでしょうか。ようやくApple TVなどの登場しましたが、映画のレンタルはお店に出向くというスタイルが一般的だと思います。
■見たい時に見たいものを見る
理想を言ってしまえば、映画だけではなくテレビ番組や音楽PVなどあらゆるコンテンツを「見たい時に」「見る環境に合った端末で」見ることができることです。これが実現するためには、対応する端末、ストリーミング配信や課金制度が整ったプラットフォーム、豊富なコンテンツなど、3層それぞれでの整備・充実が不可欠です。最近、Apple TVの販売台数が100万台と突破するという報道がありましたが、ストリーミングでの視聴はますます一般的になるはずです。となれば、日本でもネットフリックスのようなビジネスモデルが普及していくのを期待したいです。
※参考情報
Netflix
http://www.netflix.com/
Netflix|Wikipadia
http://en.wikipedia.org/wiki/Netflix
ネットフリックス|Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9
How Netflix got started|Fortune
http://money.cnn.com/2009/01/27/news/newsmakers/hastings_netflix.fortune/
Netflix対応デバイス
http://www.netflix.com/NetflixReadyDevices?cid=Game+Consoles
Apple TV、今週中に100万台突破の見込み―iTunesのTV、映画ストリーミングの利用も急上昇|TechCrunch
http://jp.techcrunch.com/archives/20101221new-apple-tv-sales-to-top-1-million-this-week-itunes-tv-show-and-movie-rentals-soaring/
Reed Hastings: Leader of the pack|Fortune
http://tech.fortune.cnn.com/2010/11/18/reed-hastings-leader-of-the-pack/
Fortune 2010 Business Person of the Year: Netflix CEO Reed Hastings|WebNewser
http://www.mediabistro.com/webnewser/fortune-2010-business-person-of-the-year-netflix-ceo-reed-hastings_b9689