またまた小６のある日
「おいおい、何回同じ漢字を間違えているんだよ、もう5-6回は間違えてるぞ」
「1-2回しか間違えたことないもん！」
「そういう話になるからちゃんと記録もつけてある。見ろこの×の数を！」
「覚えられないんだよね」
「漢字は意味を理解して覚えないと、さすがに果てしなくやるのは無謀だぞ。今度から間違えたら10回ぐらい書こうか。」
「間違えたら書くのは１回でいいってパパが言ったんじゃん」
「こんだけ覚えられないともう仏の顔も３度までってやつだ・・・」
（しかし、なんでこんだけ毎日朝勉してるのに覚えられないんだ・・・。俺が小学生のときはもう少し早く覚えられた気もするが・・・。一体何が違うんだ・・・。何かが俺と違うはずだろ。もう本番まで数か月しかないじゃないか。やばい、やばい、やばい。。。考えろ考えろ考えろ・・・。どう勉強させればいいんだ。。。）
（そ、そうか・・・！学校で日本語読まないからだ！よく考えたら学校の教科書は全部英語だ！よく考えたらレストラン行ってもお店に行っても、TV見ても！漢字なんかどこにもねえ！英語しかないじゃん！！！
だから覚えられないのか・・・。漢字に触れる回数が少なすぎる。いやいや、オレ元々気づいていたじゃん↓。なのにすっかり忘れていた 気づくのが遅いよ！！）
「もう計算に行っていい？？」
「まあ待て・・・。ふうっ。
おっほん。 喜べ。 ようやく漢字や知識が出来ない理由がわかったぞ。」
「なになに、どうするの！？」
「聞きたい？ 教えてやろう。 お前は日本にいる受験生より漢字や知識は不利だということが今わかった！なぜなら・・・！」
「お前はアメリカに住んでいるからだ！！！ずーん。」
・・・。
・・・。
・・・。
「は?今頃？」
「い、いや前からそう思っていたんですが・・・。」
「だから日本で勉強している受験生と同レベルの頻度で漢字や知識に触れるようにしよう。」
「で、どうするの？」
「単に一日に見る漢字の量を増やす。」
「なんなの！？それだけ！？」
「英単語を100個覚えたければ、一日10個×10日間勉強する人もいるが、パパはそれを推奨してないだろ？」
「10日間毎日同じ100個をやるんでしょ！」
「そうだ。うろ覚えでもいいし、勉強時間も増やさなくていいから、経験上100個を10日間の方がいい。つまりその単語に触れる回数が増えれば増えるほど良いということだ。なのに今俺らは漢字を一日１ページしかやっていない。漢字も英単語と同じように触れる個数を増やそう。」
「やだ。増えたら時間がかかる」
「落ち着け。その代わり時間もかからないようにする。」
「もうこの四谷大塚の『漢字とことば』は何回もやってるよな？3-4周している。だったら毎日全部書く必要ないだろう。分かっている漢字もたくさんあるんだから。ただ、毎日多くの漢字に触れることが大切だ。今後は書かずに問題を見て頭の中で漢字を思い出して、分からない漢字とかちょっと不安な漢字だけを書いて練習することにしよう。ただし、過去に間違った問題だけではなくて全部の問題の漢字を必ず思い出せ。思い出す回数を増やすんだ。そうすれば１日で触れる漢字の量は飛躍的に増えて、１週間で１冊を１回転ぐらいできるんじゃないか？そしてそれを繰り返しまくれば、定着度も高まるのではないか？」
「うーんそれならいいかな。やってみる！」
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結果、この作戦は大成功でした。勉強時間がそこまで増えたわけでもなく、でも1-2か月ぐらいたった時には相当な定着率になりました。
ところが・・・、この学習法には大きな盲点がありました。。。最初のころは真面目にやっていたのですが、いつのころからか、書くのが面倒くさいがために分からない漢字も分かったことにしてごまかしていたのです。
受験直前１か月前にそれに気づいたあとはリカバリは大変でした。
よって、普段からサンプルチェックでこちらから指定したものを書かせる等の体制は必要だと思います。
帰国生入試では一般入試と異なり、国算は基礎的な内容を聞いてくる傾向があります。そのせいか漢字や知識の配点が少し高いように感じます。おそらく漢字は今後の授業についていくための基礎事項のカテゴリととらえられているのでしょう。四字熟語なども含め、一般入試と同レベルの難易度で出ます。
帰国生は日本語は不得意な場合も多いでしょうから、漢字や知識を完璧な状態にしておけば、必ず国語で頭一つ抜きんでることができます。周りと差をつけるため、そして帰国生入試合格のためには、絶対に手を抜いてはならない領域だったと今結果を見ても思います。実際、入試直後に「この漢字が分からなかった」、「この四字熟語ができなかった」、そういう会話が帰国生の中でよくあったと娘から聞いています。私も一度聞こえたときがありました。
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