難病で闘病中のみなさん、こんにちは。

 

今日は、ライム病と関係のない話なので、興味のない方はスルーをお願いします。

 

 

オカメインコ       オカメインコ       オカメインコ       オカメインコ       オカメインコ

 

 

 

50代半ばのジョセリンは、今、ホスピスのベッドに横たわり、

 

人生の幕が下りるのを静かに待っている。

 

 

 

彼女は、物心着いた頃から母ひとり子ひとりの家庭に育った。

 

家計はいつもギリギリで、女ばかりの暮らしはセキュリティ面での不安があった。

 

幼少期から聡明だった彼女は、名の通った大学院に進み、

 

環境学の修士課程に学んだ後、ビジネス系の修士課程も修了した。

 

しっかりとした学歴を持ち、いい仕事に就き、経済的なゆとりのある暮らしがしたい。

 

ずっとそう思って生きていた彼女は、習得した環境とビジネスの知識を活かして

 

弁護士になろうと、今度は法学院に入学した。

 

2種類の修士課程と法学院の学費は、すべて学生ローンを組んでいたので、

 

学業が終了してからの返済額は、かなりの額になってしまったが、

 

弁護士になってしまえば、支払いはそれほど大変なことではないと思っていた。

 

 

 

懸命に勉強して法学院を終え、司法試験の準備を始めた頃、

 

たった一人の家族である母親の認知症が発覚した。

 

めでたく司法試験に受かって、ジョセリンは晴れて弁護士になったものの、

 

今度は母の介護が待っていた。

 

これでは、時間の拘束が長いが高給の民間の弁護士事務所で働くことはできない。

 

ジョセリンは、残業はないがその分収入もそこそこの、

 

地元の役所で法務を担当する仕事に就いた。

 

 

 

仕事場から車で10分の自宅に、お昼休みに飛んで帰って母の世話をする。

 

自分のランチを食べる時間もギリギリで、1時間以内に速攻でオフィスに戻る。

 

就業時間が終わると、また急いで家に帰る。

 

そんな生活を20年ほど続けているうちに、母の認知症はどんどん進み、

 

自分はストレスでボロボロになる。

 

学生ローンの返済もいまだに残っていて、経済的にもゆとりがない。

 

すでに娘が誰かもわからなくなっている母は、食卓によじ登って仁王立ちになり、

 

キーキーと奇声を上げるようになった。

 

もう自分一人で母親の面倒を見るのは限界だ。

 

そう悟ったジョセリンは、辛い気持ちをこらえて母を介護施設に預けることにした。

 

母親はその半年後に亡くなり、

 

やっと自分自身の生活を取り戻せるかに見えたその2ヶ月後、

 

彼女は、ステージ4の子宮ガンとの診断を受ける。

 

 

 

闘病は、彼女を疲弊させた。

 

いくつかの治験に参加し、回復を目指して出来るだけの努力をした。

 

でも、身体は日毎に弱まって、ついにはホスピスに移る以外オプションがない所まできた。

 

「やれることは全部やったわ。でもどれも効かなかった。私はもう長くない。」

 

 

 

実は私は、直接ジョセリンに会ったことは一度もない。

 

共通の友人を通しての間接的な知り合いだが、

 

彼女の話はよく聞いていたし、彼女もその友人から私の事を聞いている。

 

ふと彼女の人生を考える時、

 

ジョセリンが、子供の頃から欲しかったものを得るために、

 

一生懸命続けてきた努力を、どうして神さまは認めてくれなかったのだろう?と思い、

 

消化できない気持ちになる。

 

 

 

明日、共通の友人が、ホスピスにジョセリンを訪ねると連絡してきた。

 

柔らかい食べ物であれば、まだちゃんと食べられる力は残っているのだという。

 

私は今日、イタリア系アメリカ人のジョセリンのために、

 

時間をかけて丁寧にテラミスを作った。

 

明日、友人に持って行ってもらおう。

 

神さまは、あなたの望むものをこの人生で与えてくれなかったけれど、

 

そのことをフェアじゃないと思うあなたの味方がいることを、

 

あなたがこの世を去った後、私はあなたのことを時々思い出すであろうことを、

 

あなたに知ってもらうために心を込めて作ったテラミスだから、

 

美味しそうに食べてくれたら、私は嬉しい。 

 

 

 

どうかジョセリンが安らかな最期を迎えられるよう、

 

祈って眠りにつきます。

 

 

 

今日は、ずっとジョセリンのことが気になってきたので、

 

ライム病とはぜんぜん関係ない話ですが、ブログに書いて発散してしまいました。

 

読んで下さったブロ友さん、ありがとうございます。お願い