
相変わらず屁理屈ネタに寄っている最近です。ゴルフクラブの科学ってぇのは基本的に物理学の事ですが、んな学術的な話じゃなくて、マーケティング用語として使われた科学ってのが一般消費者には身近。近代に60年代のウィルソンをネタにしたところで昔話でしかないのは承知のこと。
ってんで、ブログ主レベルのおじさんにとって当時の渦中にあって、そんなマーケティング的な科学を認識したのはマルマンだった。80年当初にあって、SPSSってのを登場させましたが、手元に残るナイトキャップの一つには、それをネタにした記事があった。東大名誉教授という肩書を持った、いかにもメーカーの言うことは信用ならないというスタンスの、文章からして嫌みなおっちゃんが、真面目そうなメーカーの技術者や工場長を相手にゲソ揚げを喰らわせている。なぜかダンロップの製品を大きく持ち上げ、マルマンの新しいプロダクトが大きく打ち出しているSPSSの論理を、ほんとかよっと議論をふっかけている。
きっとダンロップからは毎回新製品発表会への招待があって、広報担当者は会見後にご接待を設けたり、新しい製品を評価のために貸与という形で預けられることもあるかもしれない。当時のマルマンはそこんとこ技術屋さんとしての武骨なお相手しかできなかったんじゃないかと勘繰る。それは企業規模の違いとか、広報窓口が見目麗しい女性だったりすると時々起こる事。これが古来ジャーナリズムの本性です。別の業界ですが、メーカ側のそんな部署にいたことがるんで、これは明白な事実。
てな話はさておいて、SPSSとはセイム・ポジション・スウィート・スポットの事で、全ての番手でブレードの6:4のところ、つまりヒール寄りにスウィートスポットを設計したというデザイン。5;5ってのが従来のイメージで、なおかつ番手によって短くなればヒール寄りに移動するのが実際ではないかというのが名誉教授の考え。ダンロップは潤沢なデータを取って、ユーザーレベルによって設計を変えたモデルを準備していたとの事ですが、現代にブログ主の趣味の目ではダンロップにそんな差別化がされていたという記憶はない。
真面目そうなマルマンの技術者は必死に同等のサンプルを取って最大公約数としての6:4に正当性があると説明。まぁ、いろいろあったとしても、近代になって中古となったそれを振り回しても、ほぉ~なるほどとなったのか。いやぁ別にィ~、ってのが本音。経験則で言うなら、振り回して違和感がある程の冒険をしたデザインでないと新しいものとしてのインパクトがない。時代的には70年代後半の第二次のゴルフブームが過ぎ去った時代。業界的にもその継続を目的に何とかせにゃならんと喘いていた時代。流通から参画した新参者は洋物のコピーや復刻を企画したし、洋物の権利を買い取ってOEMで姫路生産されたモノを手頃な価格で販売したり、いくらか時間をかけて独自路線を極めたのは、カリスマプロの助言を全面的に取り入れてニューモデルを作り上げた新参者もあった。
初代はまぁまぁでしたが二代目は大ヒット。こんな状況でマルマンがとったのは独自の科学ネタ。果たしてそれが科学だったかどうかは今語ってしまうとおもろない。この後にプロダクトを整理してまた違った路線を構築していくのですが、大上段に言い切れるのはSPSSは後世に引き継がれなかったという事実。別に6:4だろうが、5:5だろうが、もしかして7:3であったり、デザインが意図した打点がどこにあろうとも、一般ユーザーでさえそれが新しいものとして練習して使いこなしてきたってぇ事なんですな。
近代の評論家さんや物知りさんたちは人が道具に合わせるのはナンセンスと言われますが、実は新しいもの人は慣れてきた。道具が変われば人も変わる。そりゃ科学じゃないかもしれません。