
前のネタの続きとして、ダイナパワーのその2。ダイナウェイトがダイナパワードになったのは資料によると1956年。今でいうドリルドスルーホーゼルが組み合わせられたことで最も精密なアイアンというのがこの年のウィルソンの触れ込みです。
シャフトが明確にヘッドを貫いているとでも訳したらよいのか、ドリルドスルーをニューダイナパワードの筆頭に解説。ヘッドとシャフトを強固に確実に接合し、ブレードのツイストやインパクトのミスを吸収する。シャフトの振動も軽減し、液体感覚のインパクトを実現する。ネックとホーゼルのウェイトは軽減され、今回はトウ側とは言わずにワーキングエリアに配分されたとある。結果、軽量化にも貢献し、ヘッドスピードも上がるとある。シャフトがソールまで延長されている構造は、シャフト先端がボール近くに位置することになり、グリップとの関係性が完璧なものとなる。
またシャフト、ブレードがグリップと一体となる事でフィーリングも向上する、とある。トップノッチのダイナウェイトとドリルドスルーが加わったダイナパワードの解説を読み込んでみて、当時としては革命的だったのかも知れませんが、現代の目からするとまぁ、そんなもんだろうなってぇところかもしれない。マクレガーでもケネススミスが提唱し計測機器まで作ったスイングバランスの理論に合わせて設計されたのがM85だったし、ホーゼルのウェイト過多ってのは当時からして意識されていたことが分かるわけだ。1958年頃からのバックデザインが見慣れたダイナパワードのロゴになるのですが、基本デザインのパワーバーはトップノッチ時代の細い放物線のまま。
これがトウに向かって広くなるのは60年モデルですが、ロゴはまだダイナパワードのまま。62年のターフライダーソールになってウィルソンスタッフが大きなロゴとなり、ダイナパワーのロゴはトップ側に小さく刻印されるようになった。このターフライダーソールのダイナパワーはちょいと進化しましたって情報もあって、ホーゼルが短く細くなり、そのウェイトはワーキングエリアに再配分。トップ側のホーゼルとブレードの結合部分に凹みが付きトップラインがストレートに見えるようになった。トウが若干スコッチタイプになり再配分されたウェイトともに有効なヒッティングエリアをデザイン。
ターフライダーソールは芝との抵抗を減らすラウンドソールを採用。ここで解説の小さい文字に埋もれてドリルドスルーホーゼルというワードが登場し、パワーを効率よく伝達して液体感覚を実現。新しいシャフトを採用し、これがホーゼルにスクリューイン、つまりねじ込まれていることが説明されている。66年モデルまでメインのロゴはウィルソンスタッフのままでしたが、67年にはダイナパワーの刻印がメインとなったモデルが登場する。しかし、69年には日本でも知られたバックデザインになり、71年モデルと共に復刻が流通している通り。あいや、61年モデルとか、ニューダイナパワーとか、80年頃から90年にかけてウィルソンのダイナパワーと言えばこんなデザインだよねぇ、ってぇのはほとんどが復刻版で摺りこまれた印象だったってぇ事になる。その解説にダイナパワー理論に基づいて、なぁんてのがメディアに掲載されたとしても、その当時からして打ち易いアイアンのスタンダード。言うなればこの程度なら台頭した評論家さんたちも取る上げ足が無かった様子。
ついでにオフセットというコンセプトも1940年のカタログに掲載があり、グースネックというモデルの掲載もあって、古くからあったアイデアであることも分かる。ただ、ネックがストレートではなくなったモダンモデルではシャフトがソールには突き抜けなくなった。ホーゼルの横からフェイス側に飛び出しちゃう。ん~、まだまだブログ主的にはオモロでなるほどってネタが続きそうです。