Dynapower theory
正式名称はなんと言うのか、とりあえず表紙にあるのはウィルソンゴルフ、ヒストリー・カタログという赤い表紙の本。何度もネタにしている通り、主なコンテンツは古くからのカタログの転載。
Dynapower theory
ということはあくまでメーカー論理が展開されているのですが、いろんなアイデアの詳細がメーカーの言葉で残っている。今時のカタログには小難しい論理などはタイトル程度にして、こんなタイプのユーザーとか、どんな球が打てるなんてある意味わかりやすい解説に留まることが多い。だとしてもブログ主的な興味の範疇では各メーカーが独自の感覚的なデザインを施し、その中には思い付きにも似たアイデアが凝らされているもの。ってな前置きはこれまでとしておいて、はてさてダイナパワー理論とは何ぞやって命題に取り掛かる。読み込みの程度が曖昧かもしれませんが、お初の登場に見えるのは1950年のトップノッチにダイナウェイトというコンセプトで登場している。
Dynapower theory
新感覚アイアンとして、ヒッティングエリアをフェイス全体に設計したとある。これまでのアイアンでははヒールエリアに限られていたのに対し、二倍の広さ出るとの事。ただし、そのヒッティングエリアとはパワーヒッティングエリアとわざわざパワーが付いているところが味噌。ここを見ろと矢印つきで強調されているのがトウ側からの写真で、分厚くウェイトが配されているところ。簡単に言うなら、トウの返りを意識したようなトウウェイトである事が元始のダイナウェイトだったわけだ。これはヘーゲンモデルで確認できる。だとしても一押しというほどでもなかったようで、スニードなどのプロネームを冠した一般的なモデルもずらりと並ぶ。先日古鉄ミュージアムの二番アイアン編に掲載したスニードのシグナチュアーモデルもこの頃からのモデルの様です。
Dynapower theory
この本の掲載に限って言うなら、このダイナウェイトモデルはレディースアスリートのベーブ・ザハリアスのネームを冠してラインナップを拡大。1955年とされるカタログでは6つのポイントを詳細に上げており、1.ヒールのウェイトを2.トウ側のソールに移した。3.パワーバーデザインで打点をセンターに想定し4.ヒッティングエリアをトウ側に拡大。5その結果、ミスヒットでもブレードがツイストすることなく、6.ラウンドしたリーディングエッジで芝の上を滑り抜けが良い。ってのが詳細な解説。
Dynapower theory
これに加えてキックに優れた感覚の良い新しいロケットシャフト、精密なクラブバランス、カーフスキンのレザーグリップで飛距離と正確性を格段に向上させたとある。ん~、現代に見るならどれも大したことないような記述ですが、50年代のゴルフとしてはどんなもんだったのだろうか。マクレガーで言うなら、M85の初期モデル、ロープロファイルが結果的にトウ側にもウェイトを配することになり、ただし打点はヒール寄りだったことは間違いない。ある意味ヒールウェイトだったそれまでのアイアンをトウヒールにウェイトを配したと言えなくもなさそう。ってんで、そんなコンセプトは昔からあったって事にもなりますが、1956年には過去にない革新的なアイデア、後にドリルドスルーホーゼルと呼ばれる穴あきホーゼルが登場した。ここでも不必要なヒール側のウェイトをトウ側へ移動することでシャローで長いブレード、つまりロープロファイルのヘッドとしたとある。
Dynapower theory
シャフトをソールまで貫通させることでフリュードフィール、液体感覚とでもいうのでしょうか、他のアイアンにはない感覚をもたらしたとある。これも元始のドリルドスルーはシャフトがソールまで貫通していたというキャロウェイに先駆けた事実があるわけだ。長くなりそうなんで、これをその1としてここらにしておきます。まだダイナパワーにはなっていません。