
出張から帰ってニャンコ連の機嫌を取れば、早速いつものネタに。このグリップが並んだデータの中に一つだけ仲間はずれがあります。それぞれのフォルムはラップタイプでクラシックなテープ状の天然レザーを巻いたスタイル。
古の天然レザーのラップタイプは、下巻きにガーゼの包帯のようなものに真っ黒いタールをしみこませて巻き付け、基本のフォルムを作った。それのフォルムを固定する為にその上にコルクのテープを巻き付けさらにタールのようなもので留めてある。一度解体検査をしてみたのですが、この薄いコルクテープは5メータ程も巻き付けられておりました。チップ側の巻き始めは熱収縮のリングで留められていて、グリップエンドには多くの場合木栓がしてあって、巻き終わりはその木片に小さい釘で留めてある。時代によって違いがありますが、戸田十一郎プロは、自分以外の人がグリップに触ると、誰かグリップにさわりましたなぁ、っと周囲を威嚇したとの事。古いメディアにあった戸田プロのキャディー経験者も、クラブの受け渡しにも絶対にグリップには触れなかったと話されていました。
素人には全く分からない範囲でも、プロには分かったって事で、グリップはソフトだったという事かもしれない。時にティーグラウンドの打順待ちでもレザーグリップ時代は、グリップを巻き直すプロもいたとの事。どこかで見かけたのですが、青木プロがしゃがんで巻き直している写真を見た記憶がある。まぁ、プロだからこそのこだわりであって、アマチュア素人にとってはたまのラウンドの前夜と帰宅後にレザーグリップを手入れするというのは時に面倒なこと。ブログ主も親父のお下がりがレザーグリップで、前夜はウキウキでしたが、帰宅後の手入れはグリップのお手入れのほかにも、パーシモンの風通しと皮底スパイクに新聞紙を突っ込んで乾燥させ、靴クリームを塗り込んだ後に、皮底にミンクオイルを塗り込んでからスパイクを締め直すなんて作業をセットとしていたものです。
朝も日の出前から出かけたラウンド、帰路も風呂上がりに軽食を済ませて遠路はるばる運転して帰れば、すぐに横になりたかったもん。今はすべてが石油由来のモノとなり、当時ほど神経質なお手入れは必要なくなった。ってぇ事で、データはゴルフプライドのツアーラップの中にウィルソンのアルバトロスに巻かれていた天然レザーグリップが1本混じっていたというわけです。データではコントラストをはっきりさせると明確かも知れませんが、夜の室内の明かりで遠目に見るとツアーラップと見分けがつかない。ダニーエドワーズがロイヤルグリップを作り出した時には、それまでのラバーグリップがほぼスイングライト一辺倒だった流れを大きく変えた。その流れの只中にいたブログ主からすれば、ラバーグリップの最大の欠点だった濡れたら滑るという問題を解決したというよりは、ラップタイプのラバーグリップにえぇなぁこれとなったもの。
これも好みの問題でしょうが、右手の人差し指がテープとテープの間の段差に引っかかるのが心地よい。当時でもメディにはゴルフプライドやロイヤルグリップ以外にもラップタイプの広告がありましたが、二鉄から含めて10本の交換をレンジの工房へ持ち込むには平日ラウンドでお昼にビールを飲んだとしても、その対価には満たなかったもの。蛇足ながら、あるレンジの工房でコストの覚悟を決めてサークルラムをハーフコードのゴルフプライドに10本替えてもらったのですが、その溶剤にガソリンを使っていたらしい。週末に交換し、翌週のラウンドまでそのまま車のトランクに入れておいたのですが、クルマはまるでガソリン漏れをしているかのような匂いが充満した。現代に考えるならプロ工房のすることじゃないよなぁ。今でも街工房なんてそんなものかもしれませんがね。