Sankei Pete Nakamura
続いて81年の印刷メディアから情報を拾ってみました。今回のネタはサンケイ。ピートナカムラのアイアンです。ページ数で言うと4ページの見開きでメジャーメーカーと同様の情報量。
Sankei Pete Nakamura
以前70年代と言えば、アメリカ本国での大ブームに加えて日本でも第一次のゴルフブームという時代で、しかし日本でのブームではクラブの主役は舶来ものだった。そこに赤トップやマクレガーで言うなら、二段ソールのVIPなんかが君臨していたのです。国産メーカーで記憶に残っているブランドはほとんどありませんでした。これはそれぞれの個人事情かも知れません。
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これが一巡すると、ブログ主の周辺では信用金庫の集金営業がマルマンモデルをお安く進めてきて、新規開場のゴルフ場会員権とともに紹介営業をしていた時代。バブルの絶頂期には億に達した会員権が、この当時は50万程度だったことを記憶しております。まぁ、貨幣価値も違うもんで、直接の比較はできませんが、国土開発、いわゆる西武が分譲した中軽井沢の400坪の別荘地が400万程度だった。ついでに言えばトライアンフのTR4の中古車は100万くらい。
Sankei Pete Nakamura
そんな時代にゴルフクラブのアイアンセットはすでに10万くらいしていたわけです。今アイアン40セット分で軽井沢の土地は買えません。っていうか長野県は別荘には分譲せず、借地権販売のみとなったようです。ってんで、見つけたサンケイのアイアンのネタですが、当初このモデルを見つけた時は中村寅吉由縁のセットとして大いに期待して到着を待ったのですが、手にしてみるとやけに大きなフェイスや、変わったカーボンシャフト。
Sankei Pete Nakamura
知りもしないままに、伝説の中村寅吉プロの面影は全く感じ得なかったのです。振り回して見ればやけに捕まりの良い、振り回すと引っ掛かる普及版的な印象があって、セット物のアイアンかも知れないなんて残しておりました。
Sankei Pete Nakamura
ところが、この81年の資料によると「伝説の顔」とあり、ピート・プロモデルIIとして紹介され、本格的な最高級プロモデルであるとの紹介がありました。プロモデルIには確かにそんな趣があって、シャープなアイアンに見えるのですが、このモデルはカナダカップ優勝以来生き続けている伝統のクラブであって、国産唯一の銅下メッキが施された高級品であると解説されます。普及モデルなんてとんでもない勘違いだったわけですな。アイアンには二鉄は言うまでもなく、ドライビングアイアンも準備された腕達者向けでもあったのです。低重心で大きなフェイスで低いホーゼルと、カナダカップ時代にすでに打ちやすい工夫の凝らされたモデルであったという事。
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新しく拾った情報としてはそれまでの妄想を180度覆すモノで、今後二鉄を探さにゃなりませんが、こんなネタならもちろん大歓迎。ただ、手にしたモデルのシャフトはスパイルシャフトというバンドがあって、これは別の印刷メディアに見つけたのですが、スチールを芯にしてカーボン繊維をグルグルと巻き付けたもの。
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81年にはハイペイオンというトルクを2.8に抑えたブラック、いわゆるカーボンシャフトがあった。他にも豊かな選択肢があって、トップモデルにはオーダー対応という告知がある。なるほど、メジャーメーカーとしてこれが寅吉プロ伝統の顔なんだと改めて感じ入ってしまうのであります。
Sankei Pete Nakamura

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