Wilson  2 iron
プライベートブランド、妄想の新展開ってぇのはこれであります。流通に見つけたウィルソンスペシャルというモデルは、3番からサンドウェッジのセットをかなり以前に手頃に手にしたものです。ウィルソンのグースネックというモデルに似た低い位置にエグリのあるバックデザインで、フェイスには縦のスコアラインにドットが入っている。
Wilson  2 iron
これをいろいろと観察し、資料をひっくり返したところ、例のアメリカの流通大手のスーパーで売られていたオリジナルモデルという情報があったわけだ。もちろんレンジで振り回したわけですが、マッスル的な感覚ではなかった。どちらかというと普及モデル的な感覚が流通オリジナルという妄想に直結したのですが、そんなモデルに二鉄はないだろうなぁと思っていたのです。でも、調べてみるなら、X31というモデルのバックデザインにそっくりで、でも、X31というのは時代に合わせた扱い易いモデルというポジションだったらしい。
Wilson  2 iron
これまでいくつかのX31というモデルを見聞きしてきましたが、ヘーゲンみたいなモデルもあったし、年式によってそのデザインは様々だった。ってぇ事で、この度まさしくという年式のX31を見かけ、手にしてみたというわけだ。ん~どうでしょう、これ。バックデザインのコンセプトは全く同じに見えるのですが、一見して微細な部分の研磨が違う。でも、間違いなくウィルソンスペシャルってぇのはX31をベースにしていると思われます。
Wilson  2 iron
ってんで、ほぼないと思っている二鉄をこのX31で補完することに無理はないと思い込んでおります。違うと思われるところを列記するならたくさんあるのですが、いわゆるバックデザインは単なる暗示として、機能に影響する部分を確認してみると、例えばホーゼルの高さはX31が若干低い。ウィルソン特有のドリルドスルーホーゼルがX31にあって、スペシャルにはない。トウの研磨はX31がスコッチに見えてトウが高く見えるのですが、これは研磨の雰囲気程度の違いで、心理的には影響があっても、物理的には違いは無さそう。
Wilson  2 iron
ネックの形状もほぼ同じなんですが、スペシャルの方にはヒールにはっきり見える凹みがある。と言ってもこれも心理的なモノかも知れません。という事で持ち主がセットとする正当性を書き連ねているわけで、これからレンジへ持ち出して、新たなフルセットが揃いましたというところに違いはありません。ホーゼルのドリルドスルーってぇのは今更ですがウィルソンの十八番で、シャフトの穴を深く切削し、ストレートネックの場合はそのままソールまで貫通させたもの。これは名刺サイズの設計の中でも多くの重量を占める部分であって、その軽量化を目的に取り入れられたもの。結果としてホーゼル側が軽くなり、重心点、つまり打点の位置をセンターに寄せることが出来たのです。
Wilson  2 iron
トウが高く見えるのはトップからのラインが弓なりに研磨されていて、トウの返り易さを演出している。ただし、大きく違うのはブレードのウェイト配分で、ソールのフォルムはスペシャルがクレッセント型、つまり三日月形に見える。つまりはスペシャルは生産コストのかかるドリルドスルーホーゼルを排して別の方法でセンターにウェイトを配分しているようです。流通オリジナルとしてコストを抑えるこのが主眼にあったとすれば、これも当然の事。いつもの通り細かい観察でありますが、方法は違えどセンター打点にした扱い易いモデルのはず。
Wilson  2 iron
これはレンジで確かめてみることにしましょう。当時の妄想の方向性は合っていたのか、ん~どうでしょう。やってみましょ。