Macgregor Pro 82
物売りのメーカーの論理には、大きく分けて2つある。一つはメーカーが独自に研究開発をして新製品を作り出し、こんなに素晴らしいものが出来たんだから売れないわけがないという営業を展開する。一方で、流行のトレンドを拾い上げて、お店に並べさえすれば売れるものを生産する。
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営業評価には売ったモノと売れたモノという違いがあるものですが、売れたモノの典型は例えば大陸のコピー商品。売れているモノをコピーしてデザインやパッケージの費用を抑え、製品の質は適度に落として原価を抑える。粗悪な品質やオリジナルのメーカーが訴訟を起こすまでは売れるのが当たり前という商品に化けるのです。現代資本主義社会ではこのどちらかという単純なわけもなく、技術屋や研究者が作り出したものを売れる商品にするために市場調査をしたり、告知やコマーシャルに販促プロモーションといった間接費用をかけたりする。徐々にネタに寄せていきますが、これが伝統的なメーカーの製品であった場合、マーケットに出来上がったイメージを刷新して新しい分野に踏み入れるのはかなりのコストがかかること。
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セレブのファッションブランドは安価な製品を企画して普及を試みた時、結局はセカンドブランドを作り、販売ネットワークも別モノとした。この時に聞いた話ですが、同じネットワークで売るとメインブランドを担当していたスタッフが、安い商品を求めてやってくる顧客に同じ対応ができないと反対したとの事。メインブランドの顧客はソファーに案内し、お茶を出し世間話から始める。お店の中でスタッフによる客単価を見込んだ顧客の振り分けをしなくてはならないという背景があったという事です。
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この場合は提供価値の違いという明確な判断基準があったわけですが、下世話に言うならモノづくりの宗旨替えを試みたブランドもあった。今までの顧客相手では数が頭打ちになり販売数字も減少傾向、企業の未来を考えれば新しい分野へ挑むのが当然の選択。ってんで、突如としてデータにある通りのマクレガーです。プロ82というと本国ではストレンジのVIPリミテッドの事。しかし日本企画で見ての通り、スタンダードなマッスルモデルとして登場した。時はモデル名に82とありますが、90年代の事。国産モデルのジャンプロが大きな波を作り、ダンロップはDPが幅を利かせた。
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遅れてミズノもTNなんてことになるわけで、ホーゼルの高いコンパクトなブレードのアップライト、ヒール打点ってなマクレガーでは太刀打ちできなくなったのです。アジアンマクレガーも勢力を拡大しつつあった頃、輸入子会社に製品企画の自由度を与えたマクレガーの組織は、子会社で売れたモノを親会社が引き取って世界へ展開という戦略も取った。まぁ、いいとして、あえて言うなら何の変哲もないマッスルブレード、確かにレンジで遊ぶには扱い易い。ホーゼルは高いままでも捕まりの良い長めのブレード、レンジでは楽しいひと時を過ごさせていただきました。らしくないとは言え持ち主としてはマクレガーの製品。少しばかり操作を楽しんでみますが、そこはこれまでのマクレガーのイメージ通りとはいかなかった。
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ついでにシャフトはプレシジョンのFM5.5で、お天気の良い温かい日の昼下がりにレンジを楽しむなら申し分ないスペックだった。ちょっとした工夫は、常に振り切ること。この時代のモノにはよくあることだし、プレシジョンシャフトには共通した事ですが、インパクトでフォローを終わらせちゃうといくらか右へ出る。あぁ~、確かに昔はこうでした。ちゃんと当たったことで球数少なく満足しましたが、このスタイルで球数をこなすと少しばかりきついかもしれないお年頃のブログ主であります。