Golden Ram irons
ひねくれたタイトルにしてみたのはグリム童話、シンデレラの事。童話として大筋は世界のほとんどの人が知っている物語。ウォルトディズニーのアニメーションで知らない人はいないでしょう。継母とその連れ子にいじめられながら召使のように扱われ、いつも暖炉やオーブンの灰を被っている。
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ところが魔法使いに絆されて王家のパーティーに参加して目立っちゃったわけだ。12時までの魔法が解ける前に慌ててお城を後にしたシンデレラが落としたのはガラスの靴。ひねくれた世代になると魔法で提供されたガラスの靴も12時になれば姿を変えるんじゃないかと疑問を呈しても、それじゃお話にならない。顔見てわかんないものかんかねぇと思いながらも、国中の娘の中からそのガラスの靴に合うお嬢さんを探すのです。海外に生活した時に子供向けではありながら週末の午前中のテレビ番組でこのグリム童話を見たことがあります。ってぇと、グリム兄弟の書いた童話でも、本来はかなりグロいところがある。
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小さいガラスの靴には到底合わない足のサイズを持った継母の娘たちは、何とか足を挿し入れてみようとのこぎりで踵を切るのです。これがね、リアリティーを重んじるドイツのテレビでは血だらけになった足をガラスの靴に突っ込むシーンが再現されていた。もちろん演出ですが、童話の示唆する教訓を再現しながらも、世界ではそんなグロいシーンはほとんど省略されているのです。オリジナルのストーリーから乖離してもなお、童話の名作として残っているのですね。ってんで、いつもの通り趣味ネタにこじつけてみる。
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このオリジナルから乖離してもなお…、ってぇのはもちろん結論として取っておきたいくだりですが、ネタにしたいのはかかと。この場合はヒールってぇ事になるのであります。データにあるのはゴールデンラムのTWカスタムグラインド。ドライビングアイアンから3番までを並べていますが、ウェイト調整のために開けられた穴が痛々しい二鉄に注目してみてくださいな。このヒールの造形が明らかに他の番手とは違うのが分かります。つまりはかなりヒールが研磨されていてノンヒールっぽくなり、ヒール側のウェイトもかなり削られているのです。振り回しても他の番手とはなんとなく違うのがブログ主にもわかった。
Golden Ram irons
継母の連れ子のようにのこぎりで無理やり落としたヒールではありません。何か目的をもってフォルムを変えたというもので、ブログ主的な見解ではきっと年式違い。実際、TWカスタムは結構息の長いモデルだったと思います。でも、その年式も定かではなく、ネットに残る資料をいくら調べてもそんなヒールのモデルがあったなんてどこにもない。実際手にしちゃったもんですから、メーカー物として存在したのは間違いありません。
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知りたかったのは、その後の製品にこのコンセプトが引き継がれていたのかどうか。ラムのアイアンと言えばブログ主的にはプロクラシックリミテッドがこの趣味の入り口にいたわけで、ほとんどデザインは同じに見えながら、微妙な違いのあるいろんなモデルを楽しませてもらっています。そのデザインの最後は90年代前半で、その後は長い番手がキャビティーで短い番手はこのデザインなんてのもありましたね。その後はレーザーFXとかになってキャビティーに移行した。軽量コンセプトの軽いバランスが流行った時も、このマッスル部分を大きくえぐったモデルもあった。
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そんなモデルは資料に見かけるのみですが、本来はブレードがコンパクトでヒールも高いフォルム。ラウンドに出るなら、わらじターフをドカンと飛ばすのが醍醐味だったわけです。往時はいつもキャディーさんには砂袋をもって後ろに控えていただきました。もちろん形よくぶっ飛んだターフを取りに行くのもムフフな瞬間でありました。今は自分で砂袋を持っていきますが、時たま途中で補給できないコースが増えたのが困ります。