Spalding Extra Top
スポルディングのエクストラトップ、今一つ素性を掴み切れていないのですが、69年の初代バードオンボールのイメージを継承した普及版的なものと理解してみました。んっじゃぁってんで、小一時間にその印象を確かめてみた。69年のバードオンボールとエクストラトップの5番、並べてみたらここまで印象を継承しているとは思わなんだ。
Spalding Extra Top
いろんな業界では、エバーグリーンの過去製品のイメージを継承して当代アレンジで新製品として出してみると、業界で評論家やらジャーナリズムを標榜する方々から、進化を忘れた焼き直しという評価が記事の入り口。クラブでも美津濃ならTN87が復刻されたし、ホンマでもPP-737が現代クオリティーで登場されたのは既に10年単位で前の事。でも、全く昔のママで再登場なんてぇ事があるわけもなく、オリジナルで指摘された欠点を解消し当代アレンジで登場したってぇのが忖度の結果の評価となる。
Spalding Extra Top
メーカーの都合では、コストを意識して販売価格や生産数量を厳密に計算して収益計算がされ、そんな評価を実感することなど皆無だったりします。まぁ、欲しがる皆さんも限定的だし、ホンマのPPは当時近所の郊外直営店で聞いたら、ウチのお店には予約がなかったので、展示品すら回ってきませんでしたというお話。事情は違うと思うのですが、オリジナルバードオンボールとエクストラトップがどんな関係なのか。妄想を広げながらモノを見ていくと、バックデザインの凸凹コンセプトがほとんど同じで、ソールのフォルムもそっくりだし、フェイスのシルエットもそう。きっとオリジナルバードの復刻をイメージして80年代半ばあたりに登場したんじゃないでしょうか。
Spalding Extra Top
腕達者向けにはコールドフォージングのトップフライトなんかの時代。ってんで、並べた景色で見えるのはほとんど同じといっても、もちろん違うモデル。フェイスのイメージはコンベンショナルがいくらかモダンに変わり、スコアラインの入り方も違って、打点がセンターに寄ったことを意味します。確かにスポルディングに共通したフォルムのトウ側の削ぎ落としがいくらか緩くなっている。ヒールが高くなった印象もありますが、ネック周りのウェイトはすっきりしている。ヒールにはかなりラウンドがつけられて、不安定なライへの対応がしやすくなっているようです。
Spalding Extra Top
リーディングエッジのストレート具合に違いはありませんが、ポケットの造形には直線的なシルエットがある。これは金型から抜き易いデザインという話もありますが、これだけでかなり印象は変わる。ホーゼルの高さは同じに見えますが、いくらか細くなりウェイトを削いだ印象。細部で微妙な変化ですが、まとめてみるなら打点をセンターに寄せる工夫に、低い重心とフェイスが返りやすい演出をしているようです。
Spalding Extra Top
シャフトは別にして、この趣味では間違い探しの如く微妙に違うヘッドのフォルムを楽しむ。きっとオリジナルのバードオンボールの評価や機能を充分に認め、その当世流行のアレンジを加えたなんて話はどこにでもあった。この当時にオリジナルのバードオンボールのイメージにどれだけの力があったのか分かりません。スポルディングにマクレガーのVIPやウィルソンのダイナパワーに匹敵する印象は皆無だったし、やっぱり赤トップ。だとしても、本音を言うならオリジナルのバードオンボールがすごく扱いやすかったのに、このエクストラトップが今一つになっているのはなぜか。
Spalding Extra Top
これもアマチュアのいつもの事ですがね。昔のモデルに似ているといっても、多くが当時を知らない大昔の事。世間では別モデルであって、イメージをリンクさせるのは個々のユーザーの勝手な事情。ネタにはなるのですが、今に楽しむ工夫を捻り出してみましょう。