Jimmy Demaret
ジミーデュマレを調べていたところ、いろんな事実が見えてきました。豆知識からいくと、時代的に放送が始まったばかりのテレビ解説の先駆で、57年までのプロ生活と個性的でカラフルなゴルフウェアでギャラリーを楽しませたエンターテインメント性を備えた人気のキャラクターだったらしい。
Jimmy Demaret
解説にはトーナメントを経験したアスリート出身、大会運営に権利の幅を利かせる出たがり屋の口先ボルデモートではない方がよろしい。ってんじゃなくて、ジミーデュマレの362Wにマスターと刻印のあるドライバーの記録を懸命に探していたのですが、なかなか見つからない。382W1954年という私的な情報は横文字に見つけましたが、印刷資料では未確認。資料を見つけたからと言っても備忘録的なネタに留まるのみで、そこから何かが発展するわけでもありません。それを承知の上で資料を深く掘り下げていくと、あるポイントに気が付いた。
Jimmy Demaret
それはクラウンマークにあるロゴ。現物は補修を受けているので鮮明ではありませんが、40年代はジミーデュマレのモデルに限って刻印されたものですが、30年代まで遡るならセンターにMのイニシャルを入れたクローバーで、マクレガーのブランドロゴだったらしい。ピキィ~ンとつながるのがクローバーソール。ご権威の著作では50年代のペナのモデルにあるのはカード好きのアメリカ文化からの思いつきなんてことになっていますが、40年のネルソンのモデルに既に存在していた。ブランドを知れば伝統の復刻だったわけだ。キャプランのカタログ本にも、まだまだ理解していない事実が書き記されているものです。ジミーデュマレを調べてみるとモデル名は3桁ではく4桁の数字が多く、40年代までのモデルであるとすればフェイスまで含めて黒塗りのモノが多い。
Jimmy Demaret
手持ちのモノが化粧直しを受けて今のような外観になったとすれば、ソールのトウに残った刻印が鮮明過ぎる。50年代モデルという推測で探してみたら、やっと1954年に352CWマスターというモデルを発見しました。この年の情報では、ジミーデュマレにはパーマスターとペースメーカーに加えてマスターという3つのシリーズがある。であるならこの翌年か次の後継モデルが362Wであると推測されますが、352とソールプレートのフォルムにはリンクがない。ついでにペースメーカーのモデル番号が382Wで私的情報が合っていた事も分かった。54年のそれぞれのモデルのキャラクターをキーワードで抜き出してみるなら、パーマスターはイーズ・トゥ・プレイ、ペースメーカーはラージ・ヒッティング・エリア、マスターはフェアウェイでの前例のないスウィーピング。イメージで言うならスウィンガー向けということでしょうか。
Jimmy Demaret
いずれにしてもアベレージに向けられた印象ではありますが、それぞれにアイアンモデルもあって、フォルムからキャラクターを見極めるにはコピーの資料では良く見えない。あえて言うならパーマスターはパワーバースタイルで、ペースメーカーはターニーマッスル的なバックデザイン。マスターモデルは985スタイルに見えます。今でこそ985は高重心のコンパクトブレードなんて語られますが、もとはと言えば重心を下げる工夫で生まれた低重心アイアン。ならばスインガー向けという理解もできなくはない。55年以降の資料には57年にプロ生活を引退したジミーデュマレモデルの情報はない。検索は継続しますが、少なくとも1955年とか、そんな時代のモデルであると理解しますが、黒いカーボン、ブラックシャフトに挿し替えられている状態でなら現代にも楽しく使える。

tokyo bay side

先日昔は大きなレンジのあった東京の埋め立て地に野暮用で朝っぱらから寄ってみた。富士山も見えましたが、観覧車もなくなっちゃうらしいね。デュマレの頃のこの辺は江戸前の海。アオギスを脚立で釣っていたかもしれません。シーバスって海上の水上バスか。川エビのフカセで釣る脂臭いスズキの事だと思うのですがね。