Kenneth Smith
アルミシャフトの二鉄の扱いをハゲプロから伝授いただき、やっとセットの元へ戻ったケネススミスの二鉄。フルフルセットでレンジへ持ち出した時のお話です。長い番手と言えば4番から上あたりの事、今時で言うなら6番から上あたりかな。フルセットとして持ち出して長い番手に持ち替えれば、アマチュアの常として良い球の再現率が徐々に低くなってくるもの。ロフトが寝ていると曖昧にでも打てちゃうことがあり、長い番手こそそのクラブのデザイン、作り手が意図した機能がわかりやすいモノと思います。
Kenneth Smith
するってぇとケネススミスはどんな機能が意図されていたんだろうか。手にしたドライビングアイアンと二鉄と3番を並べてみます。もともとケネススミスはいろんな新機軸を開発したメーカーで、例えばホーガンの専売特許と思われているアンダースラングというフォルムも、ケネススミスの発明だった。ライ角がフラットなアイアンを曲げ調整でアップライトにすると、ヒールが内側に曲がり込んできて、シャフトの延長線上からヒールが飛び出すフォルムになる。ゴルフクラブ特有のゲームを複雑にさせる要素の一つに、ボールを打つ打面が手の延長線上にない事があげられます。それを少しでもシャフトの延長線上に近づけることで打ちやすくするアイデアですね。これは限度を超えると別モノと思われるほどの効果があって、シャフトの延長線上からヒールに飛び出すサイズにはルールで規制がかかっています。一昔前のカーボンアイアンとか、ユーティリティーのアイデアモデルにはそんなフォルムが見えたこともありました。
Kenneth Smith
ってぇ事で、ケネススミスのアイアンにはそのフォルムが顕著に見える。ピンやリンクスの様なノンヒールタイプの逆で、打点がシャフトに近づくことで遠心力を失い距離を落とすことにもなりますが、ミート率の悪いタイプには結構な効果がある。マルマンソールみたいなデザインに比較するなら、ロフトの立った長い番手でも実は格段に打ちやすいのです。そこのところはアルミシャフトを別にしてね。ハゲプロから伝授されたケネススミスのアルミシャフトを扱うコツは右腰からインパクトまで何もしない事。確かにそれを実行するなら、あれま、この日はチャンと打てちゃった。手応えも悪くない。ただし、それを意識するならウリャーっとは行きにくいわけで、特に長い番手のスチールだとシャフトが弾く感覚があって、左へ引っ張ることになる。
Kenneth Smith
改めてウリァ~っと行く工夫を加えるなら、右へすっぽ抜ける球筋が増えるのですが、このアンダ―スラングを意識しつつヒール打点で気持ちの良いドロー目も確率が上がるのです。この日の白眉はドライビングアイアンが打てちゃったこと。3番から持ち替えて二鉄で工夫し、工夫のタガを外してドライビングアイアンに持ち替えるなら、それまでのイメージをミックスして手応えの良い球を弾いてくれるのです。
Kenneth Smith
この3本を並べてみるなら長さもちゃんとセッティングされているように見えるのですが、セットとの長さのギャップはもっと微妙だったりする。そこを揃えるなら、二鉄もドライビングアイアンももう少し短くても良いのですが、打てちゃうんだからそこんところは気にしないでおきましょう。ただし、1番アイアンは二鉄以下の番手とデザインも違っていて、バックデザインの出たり引っ込んだりをトウ側から見るとかなり違う。当時のケネススミスにはオーダーのひな形としていくつかのデザインがあり、レディースも準備されていた様です。世代が変わってからはキャビティーもあったようですが、調子が良いとドライビングアイアンは特に重心が低く意図されたようにも見えてきちゃうもんだ。冷静な観察ができていませんが、それもドライビングアイアンが楽しく打てちゃったという上機嫌なアマチュアの極み。
cat family
普通のセッティングなら抜いてしまうドライビングアイアンですが、アルミシャフトの二鉄よりも使い勝手が良いと14本のセッティングを考え直さないといけないかもですかねぇ。最近はニャンコファミリーの会議もソーシャルディスタンス、なぁんてね。