ってぇことで、コキッと音の出たジャンボを携えて星野さんへレンジから直行した。久しぶりにお邪魔する星野さんの工房は、いくらか棚のレイアウトが変わって、パーシモン軍がいくらか後ろに引っ込んだ。それは今どきには当たり前の話。パーシモンを並べても出入りの皆さんが手にするなら埃もたまらない。でも、誰も手にすることがなければどんどんと埃が積み重なっていくんだね。
といっても、星野さんのプライドとしての数本と、工程途中のサンプルはいつもお座りになっている主の席の近くに整理されて置かれ、その背景を飾っている。例によって、面倒なお願いで、とヘッドの緩みを確認していただくのです。さっきまでレンジで振り回していたヘッドは、切り返しでコキッとくるわけで、トウ側へぐっと力を入れてみると、音は毎回再現される。こりゃ間違いなくヘッドの緩みと判断され、預かりますというお話になる。
いつもの通り、いろんなお話も伺うのですが、持ち出したパーシモン軍も話のネタにちょいと見てもらったりしてみます。ご興味を抱いていただいたのか、それとも職人として気になるのか、67年のWMTのスプーンは拡大鏡で観察される。アルミのインサートが重くて、スプーンでありながら43インチあったりするんですよ、と解説を加えても、興味の対象はそこじゃなかったらしい。
誰かが使うクラブを見てスイング判断というのもお得意な分野で、これは前有者がヒールをこすって塗装が剥げているところを見て、いろいろとコメントされるのですね。ま、ブログ主にしても塗装が剥げるくらい使い込んでいるわけじゃないので、前のユーザーの癖でしょうってぇことにしておきます。アメリカンレプリカのバッフィーを見て、これ、フェイスが真っすぐ向かないんですよねぇ、って話をしてみる。すると、この時代に振り回すには右に向いているのが普通だし、引っかからない工夫とお話。
ウッドブロスやマルマンのスプーンは、新しい時代のアレンジとして分厚いソールプレートやシャロ―なフェイスなんて話もしてみる。すると昔にパーシモンを製作していたころにはソールプレートの工作機械を工夫して作ったもんだとか、工具はスウェーデン鋼のプロトが良いとか、特にポンチの類はそれ以外のものはだめだとかね、いろんな話も出るのです。
現実的にはパーシモンを持ち込んで、あーだこーだ言う者は他にはいないらしく、でも、なんだかどちらかの地方で英国の人が中心にヒッコリーで遊ぶという会があるという話もお聞き及びらしい。
そのクラブの修理の面倒を見て欲しいとメディアの長から連絡があったとか、いろんなお話も続くのです。ま、自身の場合、コストが限られている中で、星野さんに修理を依頼するというのはかなりの覚悟。まず解体して状態を確認し、そしてまた組み立てるという工程のお話をじっくりと伺い、一週間後を楽しみにする。
そしてまたついでのお話、絶対におかしいストラタホエールのカーボンシャフトの話をしてみる。こちらにはパーシモン用に開発にも携わったというターボテックのシャフトが在庫されているのです。データの真ん中にあるパープルのシャフトがそれ。ただし、なんだかおかしいという感覚があるだけで、困ったことにどんなスペックのドライバーに仕上げたいのか見えていない。そんな相談をしてみると、まずは現物を詳細に見てみようというお話。当時のカーボンシャフトにはどれとして信頼を置くものがなかったというのも星野さんの持論で、だからこそターボテックの開発というお話。
一度見ていただくのも楽しみですが、リシャフトとなるとこれまたお財布の隙間風をなんとか抑えないといかん。
ン~と唸ってみたら、愛用のマレットパターの本物と星野さんオリジナルが何気なく置いてあるのにも気が付いた。なんだか、グラグラと気持ちが揺れてしまう景色を目に焼き付けてきたのでした。いや、データに残してきたというのが正しいかな。
とりあえず一週間後に今一度お話を伺います。
