1960年のヘーゲンも定点データを収録し終わっているのですが、あん時にドピーカンのお日様が照らし出したのは、あまりに赤の印象が強いバックデザインだった。オリジナルを調べてみれば、チェックマークは赤でも、ヘイグウルトラの文字は黒。それにWHの紋章の縁取りも黒だったのです。ってんで、あのまっかっかのイメージよりもいくらかシックにということで、色を挿し直してみました。
そしたらね、なんとなくこのモデルが1年で終わったことが分かったような気になってきた。もちろん、いつもの妄想の範囲であります。これ、色の塗分けがめんどくさぁ~イ。赤であるべきチェックマークに、黒であるべき文字の刻印が近すぎる。それにね、どちらの刻印も浅いのですよ。つまりは、通常なら色がはみ出るくらい刻印の上にぽってりと色を落とし、後でひっかき落としたり、アセトンで拭きとるのです。でもね、黒を拭きとっていたら、赤の刻印に色が移っちゃうし、ぼってりとアセトンを含ませて擦ると、浅い刻印から色が溶けだしてしまう。
もちろん、これが原因だとは言いませんが、生産工程で通常のものとは異なる作業の精度が求められたのは事実だと思います。ついでに、WHの紋章についても、これまた刻印が細くて浅い。でも、その分しっかりと色が入れば見違えるようなコントラストでブランドを主張するのですね。59年もとりあえず情報に残るオリジナルと思われる色を挿しましたが、刻印は通常通りの深いもので、色差し作業は鼻歌交じりでできました。61年もそうですね。つまりは、60年モデルだけ、この作業に関して異質なわけだ。
ここからさらに妄想を広げるなら、チェックマークのバランスにうるさいデザイナーが、深く打ち込んで、せっかくフラットな面に美しく映えるであろうロゴが、ゆがんでしまってはデザインが半減すると意見したのか、刻印が深くなる太い文字では、やはり文字のバランスがよろしくないとか。
その範囲は見た目に限りますが、そんなこともあったのかもしれないね。この刻印の細さ浅さは、他に類を見ません。ただし、90年代に入ってレーザーでの刻印ができるようになると、繊細な刻印が可能になり、マクレガーでもスーパーターニーのウィングMTや、R58とかのバックデザインに施されたロゴは細い。ただし、色を挿せばしっかり残るし、深さは充分ある様子。この61年モデルとは違います。
このころのウィルソンのモデルを見てみないと何とも言えませんが、テストマーケティングのウィルソンサブブランドとして、なんだか新しい方法を試してみたのか、もしくは、新しいデザイナーの資質を見るために少量生産の試作レベルでヘーゲンブランドを使わせたのか。くだらないけど、妄想が楽しめる。
ソールのコンツアーソールってぇ刻印には、単純に黒を挿してしまいましたが、60年モデルには、スタッフの黒金赤に対抗したヘーゲンカラー、黒金青ってぇことで青を挿してみた。艶消しのサテンエリアに施された刻印には、青がうまく残ったとしてもコントラストが甘いねぇ。
61年モデルの黒はやはりオリジナル由来、それはそれでカッコよろしいのですが、60年モデルの青はいまいちだったかなぁ。ほんとはここに金と思ったのですが、風呂上りに指先を汚して細筆を洗うのが面倒で、キャップに筆のついた色を使ってしまった…。ま、また次の小一時間にでも遊べるしね。一発でお気に入りの状態にするよりも、何度もやり直してみる方が、いろんな景色を楽しめるってぇもんだ。いつもの理屈が屁をこいた。
蛇足ながら、ながら作業でテレビから流れる広告。思うのですが、食事時のテレビに流れるコマーシャル。特にBS無料放送系によくある、おなかの整腸とか、トイレの洗剤とか。素人だかのおばさまが、あんなにいっぱい出たとか叫んだり、イメージ映像を流したりして、なんて無粋なスポンサーなのだろうかと、不快も度を超す。
おいしいものを口にしながらふと画面を見たら、隣のおばさん的な人が、どっさり出たと笑顔で叫んでいる。楽しめない想像もあるものです。
この子らは何を考えているんだろうか。それは楽しい妄想ですかね。
